あわせて読みたい
【韓国】キムチ名人第1号憤怒 「宗主国の地位失えば歴史まるごと奪われる」
「大韓民国がキムチ宗主国だ。なぜ宣言できないのですか。なぜたびたび他の国が挑発する時に受け身で対応するのでしょうか。乳酸菌が豊富な発酵キムチを作ったのは韓国だと大々的に宣言すべきです。個人や団体ではなく国が出なければならないことです。宗主国の地位を失えば歴史をまるごと奪われます。アリランもそうして中国に奪われたのではないですか」。
韓国初の「キムチ名人」(農林畜産食品部、2007年)であり「食品名将」(雇用労働部・韓国産業人材公団、2012年)であるハンソン(ハンソン)食品のキム・スンジャ代表。24日に京畿道富川(キョンギド・プチョン)の同社で会ったキム代表は、キムチ宗主国をめぐる議論が出てくると声が大きくなった。「私たちの先祖が創造したキムチを継承発展するためにはブランド価値を上げて輸出もさらに増やさなければならない」としながらだ。「海外で食べるキムチにロイヤルティーをもらわなければならない」とも話した。
◇「中国の泡菜、日本のキムチはキムチと全く違う」
「キムチに狂った女」。1986年の創業当時からキム代表に絶えず貼られたレッテルだ。キムチ工場を作る時も、特許を申請するという時も、「キムチは家で漬けて食べるのにだれが買って食べるのか」「だれもが食べているキムチを1人で特許を出して食べようとするのか」と言われた。キムチ名人と食品名将も「狂った」と言われながら十数年挑戦した末に手にしたタイトルだ。
キムチに対するキム代表の自負心は格別だ。キムチを中国の泡菜(パオツァイ)や日本のキムチと比較することを容認しない。キム代表は「泡菜は野菜を漬けてスチームで加熱するので時間が過ぎても傷まず、日本のキムチは浅漬けで強い消毒薬に漬けて人工乳酸菌をすり込むが1週間たてば腐る」と説明した。「加熱した泡菜と生キムチは韓国の発酵熟成キムチとは全く違う」と強調した。
キム代表は創業直後高級ホテルにキムチを供給した。「最高級ホテルが私のキムチの格に合う」という自負心からだ。特に外国人に韓国のキムチを知らせることができる良いルートでもあった。86年のアジア大会でキムチを供給したのもホテルでキム代表のキムチを偶然に味わった組織委員会側から先に要請して実現した。その後88年のソウル五輪、2002年の釜山(プサン)アジア大会、2003年の大邱(テグ)ユニバーシアード、2018年の平昌(ピョンチャン)五輪など、国際行事にはもれなくキム代表のキムチが登場した。
みんなの口に合うキムチはどんな味だろうか。キム代表は出身地域に関係なくだれでもおいしく食べられるよう標準化された「ソウルと京畿道(キョンギド)中部地域の味」を探した。特許も取った。その後外国人も一緒に食べられるキムチを開発し、これまで海外での1件を含め合計28件の特許を獲得した。伝統キムチ80種のほかにそれぞれの機能性を持つフュージョン特許キムチ16種などキムチ175種を商品化した。
◇「どこでも正当に評価される韓国キムチの自尊心守らなければ」
キムチ輸出には遅れて参入した。創業初期に輸出をしたが1人で事業をしていたため国内の注文を受けるだけで精一杯で中断した。そのうち2005年にキムチから寄生虫の卵が見つかったという、いわゆるキムチ波動を契機に2007年から再び輸出に乗り出した。他の企業が進出していなかったロシアとアラブ首長国連邦をはじめ28カ国にキムチを輸出する。台湾への輸出額は2017年より33%ほど増え、2019年末に進出したオーストラリアではキムチ購入者の99%が現地人だ。輸出に向けビーガンキムチも開発した。
2018年にスペイン・バルセロナと香港など海外食品見本市に続き、2019年には英ロンドンの飲食品見本市、フランス・パリのKフード博覧会などに参加した。キム代表は「子どもと外国人に多様な体験機会を与えてこそ関心と愛着ができる」と強調した。江原道旌善(カンウォンド・チョンソン)に「キム・スンジャ名人キムチテーマパーク」を設立したのもこのためだ。
これから工場に完全自動化システムを構築する予定だ。昨年新型コロナウイルスで企業間商取引(B2B)市場が萎縮しただけに成長した消費者(B2C)市場を拡大し、生産量が足りず受けられなかった内外の取引先をもっと増やすためだ。キム代表はインタビューの最後にもこの一言を繰り返し強調した。「韓国のキムチが最も優れているという学術論文を発表し、宗主国宣言を通じてどこであれ正当な評価を受けられる韓国キムチの自尊心を守らなければなりません」。
中央日報 2021.02.28 11:33
https://japanese.joins.com/JArticle/276031