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韓国・文在寅、北朝鮮に対する警戒を緩め、逆に日本に向けた軍事力強化を図る… 文政権の安保意識は米国政府には筒抜け
● 首尾一貫していない 文大統領の慰安婦発言
文在寅大統領は米朝関係改善を模索する一環として、米国が期待する日韓関係改善を演出し、バイデン政権に取り入ろうとしている。
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1月18日の年頭記者会見では、慰安婦裁判の判決について「正直困惑している」と述べ、2015年の慰安婦合意が公式合意であったことを認めた。そして「(合意を土台にして)ハルモニ(おばあさん)たちも同意できる解決方法を探っていけるよう、韓日間で協議していく」と述べた。
そもそも慰安婦問題はこの合意で、最終的かつ不可逆的に解決済みであり、文大統領の発言は日本が受け入れられる内容ではない。しかし、文大統領にとっては、市民団体を敵に回さないギリギリの歩み寄りであろう。
文大統領の発言が日韓関係を本質的に改善しようとする意図でないことは、その後の発言からもうかがえる。
今月19日の与党執行部との懇談では「政府同士で合意するには困難がある」「日本の『真の謝罪』にかかっている状況」「単純なカネの問題ではなく、原告が認めなければならない」と述べた。大統領として日韓間での主導的役割を果たすことを放棄し、被害者に寄り添う姿勢を示した。
しかし、その数時間後、大統領府の報道官は「大統領は、政府間の合意がなされても、被害者の同意が重要だという立場を繰り返した」「韓日間には協力が必要で韓米日関係も重要なため、党に対しても韓日関係正常化に向け支援を呼びかけた」「『韓日関係正常化の努力』が発言の趣旨だった」と追加の立場表明を行った。だが、大統領の発言からは「真摯に日韓関係正常化を望む」意図は感じられない。
文大統領の歴史問題に関する発言のブレは大きい。日韓関係を改善する努力を行っていると米国に見せつけているが、一つの発言から文大統領の意図は読み取れない。文大統領がやろうとしていることを総合的に見てみる必要がある。
● 韓国軍の動向から 文政権の意図が読み取れる
文政権の本音を表しているのが、韓国軍の動向である。
韓国軍の警戒態勢は、まるで北朝鮮の脅威がないかのように緩み切っている。むしろ、韓国軍の警戒は日本に向いているとさえ思われる。それは韓国軍が行おうとしている軍の装備の強化が北朝鮮よりも日本を向いていることから判断できる。
バイデン政権が、韓国に期待するのは、北朝鮮の非核化に向けて日米韓の協力を強化するための日韓関係の改善である。しかし韓国国防部は、北朝鮮に対する警戒を緩め、逆に日本に向けた軍事力強化を図っている。これでは日韓関係を改善したとしても米国にとって意味はないであろう。
(略)
ヤフーニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/b7912a6c147fe1f919e1ee0a32db321512de26b1