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韓国リメイク『六本木クラス』は成功するか 日本ドラマ界の慢性的なコンテンツ不足 なぜ日本は韓国の猿真似をしなければいけないのか
ここ数年、韓国ドラマのリメイクは確実に増えています。2019年には夏の1クールだけで、唐沢寿明主演『ボイス 110緊急指令室』(日本テレビ系)、三浦春馬主演の『TWO WEEKS』(カンテレ・フジテレビ系)、大森南朋主演の『サイン―法医学者 柚木貴志の事件―』(テレビ朝日系)とゴールデンタイムに3本も放送され、大きな話題になりました。
この背景には、日本のドラマ界の慢性的なコンテンツ不足があります。限られた人員と予算の中で、テレビ局がオリジナル作品を作るリスクはあまりに大きいため、オリジナル作品はどんどん減る傾向に。その点、韓国ドラマのリメイクであれば、原作がヒットしているからある程度の視聴率が期待でき、韓国版のファンをも取り込めるという理由から、もはや日本ドラマ界におけるひとつのコンテンツとなりました。
またリメイク作は、韓国サイドに原作使用料を払ったとしても、日本の人気脚本家に一から依頼するより安いコストであげることができるというメリットもあります。
圧倒的な制作費の違いやキャスティング文化の違いも
とはいえ韓国ドラマのリメイクには、尺の違い、圧倒的な制作費の違い、キャスティング文化の違いなどによる課題が多いのも事実。
最近は比較的尺の短い作品も増えてきましたが、依然、韓国ドラマは日本のドラマよりずっと長いのです。この尺の違いにより、日本版の展開は駆け足で、エピソード、ディテールなどはあちこちをつまんだ感じが否めません。韓国ドラマの持ち味である「サブキャストの人生をも生き生きと描く」点などは、圧倒的に薄くならざるを得ないのです。
また現在、日本でヒットしている韓国ドラマの多くが、Netflixやディズニープラス、Apple TV+などとの業務提携による潤沢な制作資金をもとに作られているのに対し、日本の制作費は低下の一途にあるため、韓国ドラマの壮大な世界観を再現するには予算的に太刀打ちできず、こぢんまりとした作りになりがちです。
そして韓国では、俳優自体の人気よりも、作品の世界観にあったキャスティングと俳優の高い演技力が高視聴率につながります。例えば『ペントハウス』(2020年/最高視聴率31.1%)や『夫婦の世界』(2020年/最高視聴率28.4%)のように、一見地味なキャスティングでも、内容さえよければ社会現象になるほどのヒット作となりうるのです。
あまりよい評価を得られなければ、韓国ドラマの日本でのリメイクについてテレビ界で否定的な声が上がりかねません。場合によってはこれまで韓国ドラマになじみのなかった人や、アンチ韓国ドラマの人から、「本家もつまらないんでしょ」と韓国ドラマ人気に“冷や水”を浴びせられるかもしれません。『六本木クラス』がうまくいかなければ、第4次韓流ブームは終焉に向かう――それほどの重責を担っている作品だと思っています。
一部抜粋
ヤフーニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/efeb4cfe4d1d3094691ba82b020525232293c221?page=2