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【朝鮮日報】敵が嫌がるから軍の訓練をやめようという国…韓国のほかにあるか
これらの議員は「金正恩(キム・ジョンウン)委員長まで自ら乗り出して強力に反発している」として、「韓半島の対話の局面作りとコロナ防疫のため、韓米合同演習の延期を求める」と主張した。
この世の中に、敵が嫌がるから軍事演習をやめようという国は韓国のほかにはないだろう。
金正恩は先月の労働党大会で、36回も核に言及した。韓国を攻撃する戦術核や原子力潜水艦、極超音速兵器の開発も公言した。軍事パレードでは、韓国を狙った新兵器を続々と披露した。
そんな金正恩が要求しているという理由で、韓米合同演習を延期しようというのだ。北朝鮮の労働党が言っていることを、韓国の与党議員らが堂々と声明まで出して主張している。
韓米合同演習は、北朝鮮を攻撃するためのものではない。北朝鮮の脅威を防御するためのものだ。国家代表サッカーチームでも練習しなかったら町のサッカーチームと化してしまうように、軍隊もそうだ。
ところが3大韓米合同演習は、2018年のトランプ・金正恩「シンガポール・ショー」以降、全て中断された。
連隊級以下の小規模な訓練も、実弾を一度も使わないコンピューターゲームとして行われた。北朝鮮の顔色をうかがって演習の名前も付けられず、神出鬼没ので捕まえようのない洪吉童(ホン・ギルトン)に引っ掛けた「洪吉童演習」という呼び方まで登場した。
海外で開かれる多国籍対潜水艦演習にも参加しなかった。その間に、北朝鮮の核と軍事力は休むことなく増強された。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、韓米合同演習中断問題を北朝鮮と協議できると言った。金正恩が「合同演習を中止しろ」と言ったことに対する回答だった。敵の脅威に対する防御訓練を、敵と協議したいというのだ。
初歩的な警戒任務一つも遂行できない韓国軍は、北朝鮮が新型ミサイルを撃つと「脅威ではない」と言ったり、韓米合同演習を延期しても対応態勢に問題はないと言ったりしている。
訓練しない軍隊は、軍隊ではない。訓練なき同盟は抜け殻だ。米国防総省は「韓半島以上に演習が重要な場所はない」と言った。韓国政府・与党は、こうした越えに耳を塞ぎ、今や「金正恩が怒るから訓練をやめよう」という声明まで出している。
金正恩を怒らせる根本的な問題は韓米合同演習ではなく、韓国の存在自体と韓国の繁栄だ。金正恩がやれと言ったら何でもやるこの政権が何をしでかすか分からないという恐怖を抱く。
2021/02/27 10:01 朝鮮日報
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/02/27/2021022780016.html