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【ハンギョレ新聞】韓日首脳、初対面したが…日本「韓国が解決策を提示すべき」
日本の岸田文雄首相は29日(現地時間)、韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と対面した後、現地で記者団に、韓日関係を「健全な関係に戻すべく、日本の一貫した立場に基づき、尹大統領をはじめ韓国側と緊密に意思疎通を図っていきたい」と述べた。岸田首相が言及した日本の「一貫した立場」は、両国間の主要懸案である強制動員被害者の賠償判決と日本軍「慰安婦」問題が、1965年の韓日請求権協定と2015年の韓日慰安婦合意を通じて、すでにそれぞれ解決したというものだ。そのため日本政府は、この問題の解決のためには、韓国政府が日本側の納得できる解決策を提示しなければならないという態度を変えずにいる。マドリードで韓日首脳会談が失敗に終わったのも、韓国政府が日本が期待する動きを依然として示していないためだといわれている。首相官邸のある幹部は毎日新聞に「韓国側から『ボール』が返ってきて、『前進した』とならなければ首脳会談はできない。これが首相の認識だ」だと述べた。
岸田首相は、韓日慰安婦合意の際の日本の外相であり、それを発表した当事者だった点も、現在の「膠着状況」が続くことに一定程度の影響を与えているといわれている。読売新聞は、首相周辺の消息筋の話を引用し、「首相は(2015年の慰安婦合意の経験のため)日韓関係を動かすのに慎重だ」としたうえで、「歩み寄りの後、韓国側にはしごを外されれば、政権への打撃は避けられないためだ」と報じた。岸田首相は、文在寅(ムン・ジェイン)政権が慰安婦合意を「事実上」破棄したとみなしており、何度も韓国に強い不満を示したことが知られている。
さらに日本政府は、強制動員の賠償金の「現金化」が行われる時がますます近づいているにも関わらず、韓国の動きが非常に遅いとみている。外務省幹部は読売新聞に「尹政権は意欲だけでなく、解決策を示す必要がある」と述べ、別の外務省幹部も毎日新聞に「日本から一方的に歩み寄ることはない」としながらも、「現金化に向けた手続きが進めば、取り返しのつかないことになる。残された時間はそれほど多くないのかもしれない」と懸念した。
韓国政府は、強制動員被害者の賠償問題の具体的な代案を探すため、4日に官民協議体を発足する予定だ。政府は協議体を作った後、被害者や支援団体とも積極的に意思疎通を図る予定だ。政府内では、韓国政府が予算を投入して原告に先に賠償金を支給し、その後、韓国と日本の企業の「自発的な」寄付金を集めて作った財団に求償権を請求する「代位返済」などを現実的な代案として検討している。
しかし、この案を現実化させるためには、日本が原告に謝罪のメッセージを伝えるなどの相応の措置が「必ず」必要だという声が出ている。韓国政府幹部は朝日新聞に「日本側が、原告へのおわびの気持ちを示すなどある程度の譲歩をする姿勢を示さなければ解決は難しい」と述べた。これについて外務省のある幹部も「(韓国から)どんなものが出てくるのか待つしかない」としながらも、「(日本が)原則で押し通しては韓国側も歩み寄りが難しい」と一定の余地を残した。
東京/キム・ソヨン特派員
ハンギョレ新聞
http://japan.hani.co.kr/arti/international/43911.html