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世界水泳で金ゼロの日本競泳陣 梅原監督「力不足だった」
大会前にチームが掲げた金メダル獲得など「3つの目標」は世界の厚い壁を前に砕け散り、梅原孝之監督は「力不足だった」と肩を落とした。
金メダルなしは2大会ぶりで、総数4個は2001年大会以降で最少タイ。不振だった昨夏の東京五輪からの脱却には至らず、24年パリ五輪に向けて不安を残す形となった。
日本勢が掲げた目標は、①金メダルを含む複数メダル②決勝進出率60%③ベストタイム更新率35%-の3つ。いずれも達成には至らなかった。
女子でメダル0だったのは、09年大会以来となる低調ぶりだった。17年、19年と女子で唯一メダルを取り、個人メドレーで東京五輪2冠の大橋悠依(イトマン東進)は今大会最高でも5位。
3月上旬の代表選考会で好タイムを出し、上位進出が見込まれた200メートルバタフライの林希菜(きな)(イトマンSS)も準決勝で敗退した。
男子は、200メートルバタフライ銅の本多灯(ともる)(日大)、200メートル個人メドレー銅の瀬戸大也(TEAM DAIYA)の実力者が踏ん張り、なんとか体裁を保った。
初代表ながら200メートル平泳ぎで銀メダルを獲得した花車優(キッコーマン)や、男子100メートルバタフライで水沼尚輝(新潟医療福祉大職)がこの種目で日本勢初の銀メダルを獲得したことは、明るい材料となった。
一方、海外勢に目を向ければ、新星の活躍が目覚ましく、世界のレベルの高さを突き付けられた。20歳のレオン・マルシャン(フランス)は個人メドレーで2冠し、女子の15歳、サマー・マッキントッシュ(カナダ)、男子の17歳、ドビド・ポポビチ(ルーマニア)も世界ジュニア記録をたたき出し、2種目を制した。
梅原監督は「少し出てきて決勝に残った、というレベルではなく、いきなり優勝したり、世界ジュニア記録で優勝したり。若手の台頭がすさまじい」と危機感をあらわにする。
来年7月には世界選手権が福岡で予定され、パリ五輪まであと2年あまりとなった。
梅原監督は、大舞台で選手が本来の力を発揮できていないことが課題と指摘。
国際大会での経験を積ませ、国内大会でも世界で勝つことを意識したレースを心がけさせることで「来年の福岡では(3つの目標のうち)一つでも多く達成できるようにやっていきたい」と語った。(運動部 久保まりな)
https://www.sankei.com/article/20220628-UHCJFE44HBPG7DUHV643OGZKTQ/
産経新聞