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入場券300万円 なぜ那須川天心vs武尊が日本格闘技史上最大の一戦なのか
なぜこの戦いが日本格闘技史上最大の一戦と言われるのか。03年旗揚げの新興団体RISEをメジャー団体に引き上げただけでなく、総合格闘技RIZINにも参戦して規格外の活躍を見せる那須川。爆発的なブームを呼んだK-1から体制を一新した新生K-1で3階級を制覇した絶対的エースの武尊。格闘技新時代のスーパースター2人がさまざまな壁を乗り越えて雌雄を決するからだ。
プロレスのジャイアント馬場とアントニオ猪木が有名だが、過去にはボクシング、キックボクシングなどでもファンが熱望するライバル同士の対戦は団体、放送局などの壁に阻まれて実現しないことがほとんどだった。さらに、団体を背負うエース同士となると、結果次第で団体のブランドに大きなダメージを受けるリスクもある。それらを乗り越えて実現したのは歴史的なことといえる。
実現までに7年の歳月がかかり、ファンの期待を焦りとともに増幅させたのも盛り上がりにつながっている。2人の対決が浮上したのは15年8月に那須川が武尊との対戦希望を公言してから。以後、那須川はアピールを繰り返すが、武尊はK-1が専属契約制であることから沈黙し、ファンからは「逃げている」などと中傷された。さらには訴訟問題も一部で報道されるなど、両者が知名度を高めていくのとは裏腹に、溝は深まっていった時期もあった。
しかし、20年大みそかに武尊が、21年3月には那須川が互いに試合会場を訪れ合って事態は大きく動き、一度は同年6月13日に東京ドームで対戦が決まるも武尊の右拳負傷で流れた。那須川は22年春のボクシング転向を表明し、21年大みそかがラストチャンスと思われた。だが、調整は難航して対戦はなかなか発表されず、一部で消滅と報道されるなどファンを心配させたが、那須川のボクシング転向を遅らせて実現にこぎ着けた。
「日本エンターテインメント史上最高」とうたう300万円の入場券もこの戦いの熱量の大きさを表している。日本ボクシング史上最大の一戦と言われた4月の村田諒太-ゲンナジー・ゴロフキン戦の最高が22万円であるから、まさにケタ違い。だが関係者は、「RIZINでも20万円ぐらいならすぐに売れる。海外ならもっと高いものもある。7年も続いたストーリーを考えても妥当。本当なら500万円ぐらいにしてもよかった」と話しており、その通り完売となった。あとは2人が無事にリングに上がる時を待つだけだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/af52efaccceb4cfbb3d3d9898f3fedeb4ab34782