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18年ぶりの三冠王誕生なるか 山川、村上、牧が挑む
■最後の達成者は松中
打率、本塁打、打点の3部門のタイトルを独占する三冠王。確実性にパワー、勝負強さを兼ね備える必要があり、1リーグ時代を含めても過去7人が11度しか記録していない。最後に達成したのは2004年の松中(ダイエー=現ソフトバンク)で「平成唯一」だ。
山川は異次元の打撃を見せている。開幕直後に右太もも裏肉離れで約3週間離脱したにもかかわらず、20本塁打は11本で2位のレアードを大きく引き離し、オリックスのチーム本塁打より3本少ないだけ。交流戦終盤に規定打席に達し、打率は3割5厘で3位。打点は42で、浅村(楽天)を1点差で追う。
過去2シーズンはともに24本塁打と不本意な成績に終わったのを受け、今季は打撃改造に着手。投手側に突っ込まず、右足に体重を残すことを意識している。「(本塁打を)50本打ちたい」という目標が達成されれば、おのずと三冠王は近づいてくる。
■最年少での快挙狙う
村上は交流戦で6本塁打とアーチを量産し、MVPに輝いた。チームの交流戦優勝が決まった11日のソフトバンク戦では、逆転満塁弾を含む2発で6打点。不動の4番として持ち前の勝負強さにさらに磨きがかかっている。
19本塁打、53打点はいずれもトップで打率は2割9分5厘で4位タイ。「取れるタイトルは全て取りたい」と話しており、22歳の主砲はチームの2年連続日本一とともに最年少でのトリプルクラウンも狙う。
村上の強力なライバルになりそうなのが2年目の牧だ。打率3割9厘は2位。本塁打は村上に3本差、打点は5点差。DeNAの三浦監督は三冠王の可能性について「取るでしょ。それだけのものを持っている」と期待を寄せる。
セ・リーグ新人特別賞を受賞した昨季のNPBアワーズの壇上で、「打点王を取って、ここに戻ってきたい」と宣言した通り、最もこだわるのが打点。得点圏打率4割4厘はリーグトップ。もちろん打点を稼ぐ近道の本塁打もここぞの場面で放つ。完全試合を達成した佐々木朗(ロッテ)は今季、本拠地のZOZOマリンスタジアムでの被本塁打は1だが、これは牧が逆方向へ放り込んだ一打だ。
■打率がハードルに
18年ぶりの快挙達成に向け、高いハードルになりそうなのが打率だ。04年の松中以降、打撃タイトルを2つ獲得した打者は延べ16人いるが、うち14人は本塁打と打点の2冠。05年の松中、16年の筒香(DeNA=現パイレーツ)はともに打率3位で三冠王を逃している。
現在の首位打者は、セが佐野(DeNA)で3割3分2厘、パが松本剛(日本ハム)で3割5分8厘。ファンを魅了する一発とチームを勝利に導く打点を積み上げつつ、確実性をどれだけ上げられるか。球界屈指の強打者3人が難題に立ち向かう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/409828b3995af8ad4717530ade6b8b39c2e3f655