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大荒れの円債市場、日銀オペも効かず 先物にサーキットブレーカー
日銀は午前10時10分、国債買い入れを通告。内容は前日に予告していた通りだが、前回対比で1─3年と3─5年が約3割増、5─10年が6割増、10─25年は2倍、25年超が3倍と、オファー額は大きく増額された。
また指し値オペは、これまでの364回、365回、366回に加え、新たに7年ゾーンに当たる356回債も対象となった。国債先物の年限は、7年程度の現物債に相当する。日本国債の金利曲線は7─9年金利の方が10年金利よりも高い逆イールドカーブになっていた。
日銀金融市場局は、指し値オペについて「長期国債先物に強い売り圧力がみられるなか、チーペスト銘柄の残存期間である7年ゾーンに上昇圧力が生じ、長期金利の変動許容幅の上限を超える恐れがあることなどを踏まえ、10年物国債金利の操作目標をゼロ%程度とする金融市場調節方針をしっかり実現するよう公表した」とコメントした。
7年をターゲットにした指し値オペを受けて国債先物は一時、プラス圏に浮上したが、まもなくマイナス圏に再び沈んだ。市場では「日銀の政策修正を試す仕掛け的な売りのようだ」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券のシニア債券ストラテジスト、稲留克俊氏)との見方が聞かれた。
日銀は15日午後、チーペスト銘柄に当たる10年債356回債について、0.25%の利回りで無制限に購入する連続指し値オペを16、17日に実施すると発表した。日本取引所グループは一時、国債先物にダイナミック・サーキット・ブレーカーを発動し売買を一時停止したが、先物の急落は止まらず、安値引けとなった。
16─17日の日銀金融政策決定会合への注目が集まるが、auじぶん銀行のチーフエコノミスト、山下周氏は「日銀が政策修正に動いても、金利差はさほど縮まらず円安基調は変わらない。供給政策による物価高も続くだろう。世界的な景気減速が待ち受けるなら、金融緩和を続ける方が得策だ。動くメリットは大きくない」との見方を示している。
ロイター
https://jp.reuters.com/article/jgb-market-idJPKBN2NW0J0