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【宇宙】 韓国型ロケット「ヌリ号」2回目打ち上げ、1回目と何が変わるのか
15日午後4時、打ち上げ予定…14日の天候が変数
3段目のヘリウムタンクを確実に固定し、マンホールのふたを補強
今回は性能検証衛星と小型衛星を搭載して飛行
昨年10月に失敗に終わった韓国型ロケット「ヌリ号」が15日午後4時、全羅南道高興郡峰来面(コフングン・ポンレミョン)の羅老(ナロ)宇宙センターから2回目の打ち上げが行われる予定だ。2回目のロケットは、1回目に比べ構造の変更や部品の補強などにより重量が9キログラムほど増え、実際に動作する人工衛星を搭載し飛行することになる。ただし、天候が変数だ。
・1回目の失敗の対策で重量が9キログラム増える
12日の韓国航空宇宙研究院(航宇研)の説明を総合すると、今回の2回目の打ち上げ時には、昨年10月21日にヌリ号が「異常飛行」をした原因に対して対策が講じられている。ヌリ号の目的は、1.5トンの衛星を低軌道(600~800キロメートル)に投入可能なロケットの技術を確保することだ。ヌリ号の1回目の打ち上げの際の成功目標は、衛星を高度700キロメートルに秒速7.5キロメートルの速度で投入することだった。
しかし、ヌリ号は、1段目の分離とペアリング分離、2段目の分離までは正常に進行したが、3段目の7トン級エンジンが目標の521秒間の燃焼ができず、46秒不足の475秒で終了した。そのため、衛星の速度が秒速6.8キロメートルしか出ず、落下してしまった。
科学技術情報通信部(科技情通部)と航宇研は、「ヌリ号発射調査委員会」を構成し、合計2600個ほどのテレメトリー(遠隔資料伝送装置)のデータを分析し解析した結果、ヌリ号の飛行中の振動と浮力によってヘリウムタンクに加えられる液体酸素の浮力が上昇したことにより下部の固定装置が外れ、ヘリウムタンクが離脱したことが一次原因だと推定した。この離脱したヘリウムタンクが動き続け、タンクの配管を変形させ、ヘリウムが漏洩し、さらに酸化剤のタンク上段と衝突して亀裂が生じ、酸化剤も漏洩して3段目のエンジンに注入される酸化剤の量が減り、エンジンが早く消えたということだ。
航宇研の韓国型発射体開発事業本部のコ・ジョンファン本部長は、「状況を分析するためにはデータが不足しており、映像もない状態だったため、事故を再現するには困難があった」と述べた。航宇研は、データ分析と想像力を動員して把握した原因の分析の妥当性を検証するため、地上で再現実験を行った。極低温ヘリウムタンクを液体窒素に浸して離脱する状況を再現した結果、非常に低い浮力でも離脱が発生することを確認した。
航宇研は、調査結果をもとに、ヘリウムタンク下部の支持部の固定装置が強化されるよう設計を変更して補強し、マンホールのふたの厚さを増やすなどの補強作業を4月に完了した。ロケット体系開発部のチャン・ヨンスン部長は、「構造の変更と部品の補強により9キログラム程度重量が増えたが、ロケット設計時に想定していた性能のマージン(余裕)は超過していない」と説明した。
(つづく)
イ・グンヨン記者
ヤフーニュース(ハンギョレ新聞)
https://news.yahoo.co.jp/articles/ad0dde837a5b42d5eb6cb03fc6ea4882cba8937b