あわせて読みたい
元バレーボール日本代表・迫田さおり、世界の強豪を倒すために日本代表が必要な要素とは?
(左から)藤木直人、迫田さおりさん、高見侑里
迫田さんは、1987年生まれ鹿児島県出身の34歳。小学3年生でバレーボールを始め、高校卒業後の2006年にVリーグの東レアローズ女子バレーボール部に入団。2012年ロンドンオリンピックでは、28年ぶりとなるメダル獲得に大きく貢献。2016年リオデジャネイロオリンピックにも出場し、5位入賞。2017年に東レアローズを退団し、現役を引退しました。
◆石川祐希選手の魅力
藤木:近年の日本バレー界について伺いたいんですが、東京2020オリンピックでは、男子が7位、女子は10位という結果でした。
迫田:女子は予選通過ができなくて本当に残念でした。でも、その代わりに男子が本当にすごくて! 見ていても楽しくてワクワクしましたし、“次はどんなプレーが飛び出るんだろう!?”って思うようなプレーをしてくれました。あの頑張りは、これからすごく期待できると思える大会でしたね。
藤木:石川祐希(いしかわ・ゆうき)選手が早くからイタリアに渡って、単身で頑張り続けました。その影響もあって“世界に出てみたい”という選手たちが増えたのも(男子躍進の)大きな要因なのかなと思ったんですけど。
迫田:私、石川選手のめちゃくちゃファンなんですよ(笑)!
藤木:(笑)。僕ももちろん、石川選手は大好きですけど、バレーボールをやっている人のほうが、より“すごさ”がわかる気がします。
迫田:私は現役時代から石川選手のフォームをずっと研究していて、トレーナーさんと「どうやったら石川くんになれるかな?」と意識しながらトレーニングをしていたんですよ。
藤木:そうなんですね。
迫田:それぐらいフォームがきれいなんです。“こうやってしっかり動いているから、あそこでバーンと打てるんだな”ということがすごく分かりやすいフォームなので、小学生から大人まで、みんなの参考にしてもらいたいです。
◆今後の女子日本代表の柱となる選手
高見:そのほかにも、石川選手の“ここがすごい!”というところはありますか?
迫田:もちろん、フォームや技術はピカイチなんですが、1セット25点を取るまでの間に“流れ”がすごくあるんですね。自分のチームに流れがきたり、相手チームにいったり……そのなかで“今は我慢するところ”“今は攻めるところ”みたいに“25点までの戦い方”をしっかり把握していますね。
あとは(コートには)選手が6人いるんですけど、1人が落ち込んだりしていたときに必ず手を差し伸べている。そういう技術以外のところでも人間性がある。だからこそ、東京オリンピックで苦しい展開でも我慢しながら1点を取り切れたのかなと思いますね。
藤木:逆に女子のなかで、そういう中心となっていく選手というのは?
迫田:古賀紗理那(こが・さりな)という選手がいるんですが……。
藤木:(東京オリンピックの)初戦でケガをしてしまいましたよね?
迫田:そうなんです。リオデジャネイロオリンピックに出場できなくて悔しい思いがあって、東京オリンピックでは“絶対に!”と思っていたところでケガをしてしまって本当に残念だったんですが。古賀選手も石川選手に似ていて、技術はもちろん良いですし、1セット、1試合のコントロール、そして(他の選手)一人ひとりのこともきちんと見ながら、声をしっかり掛けられる選手なんです。そして、今年(日本代表の)キャプテンになったんですよ。
藤木:そうなんですね!
迫田:初めてのキャプテンなので、(プレッシャーに)負けないようにみんなで支え合いながら、古賀選手の人間性をもっと高めていったら、面白くなるんじゃないかなと思いますね。
藤木:世界のバレーとしては、どういうふうに流れが変わっていっているんですか?
迫田:私が現役のときは、“とにかくミスをなくす”とか速さで勝負をする。日本は、やっぱり身長が低いので、高さではさすがに勝てないですから。あと、ちょっと(相手が)嫌な小技をやったり、ブロックアウトを狙っていくという戦術は、多分これからもずっと続くんじゃないかと思いますね。
2022年6月3日 20時30分 TOKYO FM+
https://news.livedoor.com/article/detail/22278857/
https://i.imgur.com/mk1yJ3S.jpg