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本当に世紀の誤審?日韓W杯から20年、韓国でイタリア戦の“疑惑のジャッジ”はどう語られてきたのか?
韓国サッカー界の歴史に名を刻んだ英雄の栄光とともに、今も足元をくすぶり続けているのが、“疑惑のジャッジ”だ。
日韓W杯決勝トーナメント1回戦で韓国はイタリアと対戦したが、その時の主審がエクアドル人のバイロン・モレノ氏。
この試合では韓国の鬼気迫るプレーにイタリアは完全に手を焼いていたが、その要因はモレノ氏のジャッジにあると言われている。
激しい当たりを流すシーンが目立ち、MFダミアーノ・トンマージのゴールは取り消され、さらには1-1で迎えた延長前半にペナルティーエリア内でMFフランチェスコ・トッティが倒されたシーンではモレノ氏はイエローカードを出した。
故意に倒れたと判断さてトッティに出されたイエローカードは2枚目で退場となった。
人数で有利に立った韓国は、これを機に試合を有利に進めると最後は今でも韓国で語り草となっている延長後半12分のアン・ジョンファンのゴールデンゴールで2-1で勝利する。
今年4月のイタリア紙でモレノ氏がまさかの“反省”
今年4月、イタリア紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」に2002年日韓W杯で主審を務めたエクアドル人のバイロン・モレノ氏のインタビューが掲載された。
そこでモレノ氏は、韓国対イタリアの試合を回顧し「あの場面は反省している。戻れるなら韓国の選手にレッドカードを出しただろう」と語っていた。
しかし、モレノ氏は日韓W杯当時、「トッティのレッドカードは最も批判された事件の1つ」として長らく批判の矛先が向けられつつも、「韓国の選手が先にボールを取っている。トッティはファウルの真似をしてつまずき、転んだ」といたって自身の判定の正当性を主張していた。
しかし、20年目にしてジャッジが間違っていたことへ反省を口にした。何度もこのことについて聞かれ、主張を押し通すことが心のどこかで引っかかっていたのだろうか。
韓国はイタリアの論調が気になっていた?
この20年で韓国ではこの“疑惑の判定”はどのように語られてきたのだろうか。
過去の韓国でのニュースを調べてみると、とにかく海外メディアがどのように報じているのかを伝える報道が多かった。
2019年3月にスポーツ総合サイト「SPOTVニュース」は、日韓大会でイタリア代表監督を務めたジョバンニ・トラパットーニ氏が現地紙「フットボールイタリア」で回顧したコメントを掲載。
「韓国戦は審判のせいですべて起こったことだ。いいジャッジを期待したが、モレノは不公平だった。イタリアを悲しませた。“もしも”があるならば、違う審判で日韓W杯で決勝トーナメント1回戦を戦いたい」
また、2018年10月の「スポータルコリア」は、トッティの自伝の中にあるコメントを引用し、「私を止めにかかった韓国の守備が、私の体に当たってPKを確信した。それにも関わらず、審判はペナルティではないカードを出した。私の人生において戦う理由がない試合だった。私たちはあまりにもたくさんの試合で不正された。審判が我々の試合を盗んでいった」と否定していることを伝えている。
また、この件については、守備の名手パオロ・マルディーニも痛ましい過去と振り返っており、「2002年日韓W杯があるならまた韓国と戦いたい。私はどんな審判にも怒りを示したことはないが、あの時ばかりはそうはいかなかった。心の中にあるよくない言葉を口にした」との批判を韓国メディアが伝えている。
イタリアが今もこの件については、今もしこりが残ったままなのがよく分かる。
韓国では“被害者”と主張するイタリアが、日韓W杯で敗れたことをどのように受け止めているのかは、気になっていたのは間違いない。
FIFAが認定した“世紀の10大誤審”
また、2004年の韓国での報道にはこんなものもあった。
国際サッカー連盟(FIFA)が創立100周年を記念して「FIFA FEVER」というDVDを作ったのだが、そこで「世紀の10大誤審」のなかに2002年日韓W杯が6位から9位まで4つも入っていたことだ。
6位 2002年日韓大会 韓国vsイタリア:トンマージのゴールがオフサイド。
7位 2002年日韓大会 韓国vsイタリア:トッティがシミュレーションを取られてイエローカード2枚目で退場。
8位 2002年日韓大会 韓国vsスペイン:モリエンテスのゴールがファウルの判定でノーゴール。
9位 2002年日韓大会 韓国vsスペイン:ホアキンのクロスがゴールラインを割っていたとして、モリエンテスのゴールが取り消し。
全文はソースで(金明昱)
https://news.yahoo.co.jp/byline/kimmyungwook/20220601-00298725