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【韓国】 大豆の起源種ツルマメは我が国が起源…中国が起源と表記、これを正す必要性
キム・ヨンス国立白頭大幹樹木園 産業化研究室長
ロシアのウクライナ侵攻戦争が長引くにつれ、石油価格も上昇一途だ。長期的な石油価格の引き上げは大豆やトウモロコシの価格にも影響を及ぼす。石油の代替えバイオディーゼルやバイオエタノールなど、バイオ燃料の需要が増えるからだ。バイオ燃料は大豆とトウモロコシを原材料とする。
全世界の大豆の生産量は約3億8千万トンだ(2020年)。コメ(約5億1千万トン)には及ばないが、人類にとって非常に重要な食糧だ。こうした大豆の原産地が我が国だという事実を知っている人はさほど多くないように思う。
私たちが食卓で普段食べる作物は、全て野生植物に起源していて、品種化されて栽培が簡単で収穫量が多く改良された結果だ。
大豆もやはりその起源となる野生植物が存在する。「※トルコン(Glycine soja)」という名前から堅固なこの植物は、豆科の一年生つる性植物で、現在私たちがよく接する大豆(Glycine max)の起源種として知られている。(※トルは石・コンは豆)
2010年から欧州を中心とした国際社会では、私たちがよく接する作物の密接な野生近縁種を発掘して保全するためのCWR(Crop Wild Relatives)プロジェクトを進めている。ここには、世界的に多用されている24の作物の野生植物に関する情報が含まれていて、その中の一つの作物が豆だ。
この大豆の起源となるトルコンが、我が国が起源だと明らかになったが、まだ国際CWRプロジェクト上では中国が起源だと表記されていて、これを正す必要性がある。
大豆の宗主国である我が国は、世界7位の穀物輸入国だ。特に、大豆は豆料理や豆腐・テンジャンなどで、主に毎日食べる非常にありふれた食品だが、自給率は6.6パーセントに過ぎない。全面的に輸入に依存しているといえる。もちろん、輸入された大豆は大部分が家畜飼料として使われるが、その家畜もまた私たちが食べるために飼育するのだから、結局食糧であるわけだ。
我が国が大豆を最も多く輸入する国は米国だ。米国は1900年代初め、日帝強占期から我が国で育つ在来種豆6000点を収集して持っていった。これを品種化させて、我が国をはじめ世界各国に輸出しているため、我が国の遺伝資源を持って米国が経済的な利益を得ているのだ。固有の遺伝資源を守ることが、どれだけ重要であるかを示す例だ。
省略…
キム・ヨンス(国立白頭大幹樹木園 産業化研究室長)
嶺南日報(韓国語)
https://www.yeongnam.com/web/view.php?key=20220525010003289