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セレッソ大阪・乾貴士退団へ 4月規律違反5月処分解消後も全体練習に合流せず 修復不可能な状態
両者の関係は事実上、修復不可能な状態。乾とは来季以降も契約が残るが、クラブにとっては苦渋の決断になりそうだ。
昨年8月末に欧州から10年ぶりに古巣復帰していた乾について、クラブは同選手と1年もたたずに退団の方向で調整に入った。
4月5日柏戦で、乾は途中交代を命じられた際にベンチでスタッフに暴言を吐き、試合後も同様の行為があった。クラブからは計8試合の公式戦出場停止と、5月14日までの全体練習参加を禁じられ、前例のない厳罰が下った。
全体練習への合流は、全処分明けの5月16日の予定だった。しかし、4月14日に正式な処分が出た時点から、乾は自身の言動を深く反省したものの、クラブとの話し合いは前向きに進まなかった。むしろ、溝はさらに深まったという。
乾がチームを離れて50日以上がたち、合流するべき全体練習に参加せずに12日が経過した。この間もクラブは、乾へ練習参加を促し、5月中旬には森島社長との1対1の面談も実現したが、ここでも物別れに終わった。
乾の離脱後、チームは得点力不足に一時苦戦したものの、J1では現在2連勝中で5位まで浮上した。2列目の左にはパトリッキが定着し、若手や中堅の台頭もあり、乾の居場所はなくなりつつある。
森島社長は25日の時点で「(乾を)受け入れる準備はしています」と説明していたが、近くメインスポンサーのヤンマーを含めて最終的な結論を出す。
乾はヤンマーの企業アンバサダーを個人で務めており、各方面で調整が必要だが、退団の流れは避けられない。
◆乾貴士(いぬい・たかし)1988年(昭63)6月2日、滋賀県生まれ。野洲2年時に全国高校選手権優勝。横浜をへて08年6月に当時J2のC大阪へ。11年8月にボーフムに渡り、その後はスペイン1部エイバルなどに所属。
21年8月にC大阪復帰。18年W杯ロシア大会は2得点でベスト16に貢献、国際Aマッチ通算36試合6得点、J1通算67試合13得点(今季5試合3得点)。169センチ、63キロ。
<C大阪乾の問題経過>
◆4月5日 J1柏戦の後半途中に交代する際、スタッフに暴言を吐き、試合後も同様の行為をする。
◆同10日 クラブは6日から乾に当面の謹慎処分を科したことを公表。練習場への立ち入りを禁止、同日のJ1神戸戦はベンチ外。
◆同13日 森島社長が「規律(違反)を重く受け止めている」と初めて問題に言及。同日のルヴァン杯鹿島戦もベンチ外に。
◆同14日 クラブが最終的な処分を発表。チームの規律、秩序を乱す行動が確認されたなどとし、今後公式戦6試合の出場停止(既に2試合欠場し、計8試合)に。この日から練習場への立ち入りは許可されるも、全体練習への参加は引き続き禁止。
◆5月14日 J1名古屋戦をもって全処分が解除。
◆同16日 全体練習再開の日に乾は不参加。
◆同17日 クラブが体調の影響で乾の当面の全体練習不参加を公表。
◆同中旬 森島社長らクラブ幹部が乾との面談を複数回、実施。練習合流を促すも物別れに終わる。
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