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ウィンブルドンはポイント付与せず ロシアなど除外 ATP・WTA「公平性に反す」
https://www.asahi.com/articles/ASQ5P36CZQ5PUTQP001.html
照屋健、遠田寛生2022年5月21日 12時00分
テニスの男女プロツアーの統括団体は20日、4大大会のウィンブルドン選手権(6月27日開幕)について、選手へのランキングポイントを付与しない方針を明らかにした。ウクライナへの軍事侵攻を理由にロシアとベラルーシの選手を排除したウィンブルドン選手権の決定は、「公平性に反する」とした。
テニス界では、ロシアやベラルーシの選手も国名や国旗を使用しない形での個人参加を認めてきたが、ウィンブルドン選手権は4月、両国の選手の除外を決定。「不当な差別だ」という声が上がっていた。
男子を統括するプロテニス選手協会(ATP)は20日の声明で、「(ウィンブルドンの決定は)あしき前例となる」と指摘し、「私たちのルールや契約はプレーヤー全体の権利を守るために存在している」と主張した。
女子テニス協会(WTA)も「国籍や政府が下した決定だけを理由にペナルティーを受けたり、競技を妨げられたりしてはならない」とした。
ウィンブルドン選手権の主催者は20日、「とても残念でならない」との声明を出した。大会からロシアとベラルーシの選手を除外したのは、英政府が出した指針の影響が強かったと強調し「例外的で極限の状況の中での決断」と主張。今回の処分への対応に関しては「選択肢を検討している。現時点ではそれ以上は控えたい」とだけ説明した。
22日開幕の全仏オープンに出場する世界ランキング2位のダニル・メドベージェフ(ロシア)は記者会見で、「私はその決定をコントロールすることはできない。ウィンブルドンでプレーできるなら、喜んでしたい」などとコメントしていた。(照屋健、遠田寛生)