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【経済】韓国・現代自動車の日本再上陸 売り上げやシェア拡大を期待するのは無理
● 現代自動車が13年ぶりの再上陸 舶来ブランドの壁は打ち壊せるか
韓国の現代自動車がかねてうわさされていた通り、今年7月から日本の乗用車市場に再上陸することを発表した。
現代自といえば、起亜自動車を傘下としていまや韓国で唯一の自動車産業のメーカーグループだ。グローバルの自動車企業ランキングでは、米ゼネラル・モーターズ(GM)を抜いて世界4位(2021年世界販売666万台、前年比5%増)の位置付けにのし上がっている。必然的に韓国では現代自グループが圧倒的な市場シェアを誇るとともに、欧米市場や中国・アセアン市場にも食い込んできている。
その現代自が、世界の主要市場の中で唯一、食い込めない(撤退を繰り返した)市場が日本だったのだ。これは自動車業界でも七不思議の一つに数えられるような現象といわれてきた。
現代自が日本で正規販売を開始したのは01年で、いまから約20年前のことだが、この時期は20世紀から21世紀への移行とともに、世界の自動車メーカー大再編という、生き残りに向けた企業の合併・統合が進んだ時期だった。日本市場も、成熟に伴う低成長下で、販売激化にあった頃である。
当時の現代自のもくろみとしては、世界戦略が功を奏してきた折に、日本車に「追い付け追い越せ」の旗印の下、日本市場でのシェア奪取を狙うことだった。だが、日本の国産メーカー系列の強固な販売網と、国産車にこだわりを持つ日本特有の“舶来ブランドの壁”にはね返された。
当時の“韓流ブーム”に乗った販促戦略や在日韓国人への販売浸透策も進めたが、在日の人たちには逆効果にもなった。また、現代自ジャパンのトップも、日本のマーケティングに強い旧トヨタ自動車販売OBを起用するなど取っ替え引っ替えなどしたが、結局、大型バスの輸入販売だけを残し09年12月に日本乗用車市場から撤退した。10年足らずの展開だったが、それから13年ぶりの再進出となるわけだ。
筆者は、3年ほど前に輸入車業界に長く携わった人物が現代自動車ジャパンに顧問入りし「乗用車プロジェクトチーム」を組んでいることを聞いた。「22年に日本再上陸を目指しています」とのことだったが、これが今回、具現化したのだ。
現代自の日本再上陸作戦は、BEV(純電気自動車)とFCEV(燃料電池車)に絞り、インターネット販売で顧客開拓に挑むというものだ。具体的には、SUVのBEV「アイオニック5」とFCEV「ネッソ」の2車種を輸入販売し、ディーラー網を持たず、ディー・エヌ・エー(DeNA)系のカーシェアリングサービス「エニカ」と協業して、カーシェアで体験し購入してもらう戦略としている。エニカは、2月25日からアイオニック5のカーシェアの提供を開始している。
これは、BEV専業の米テスラの販売戦略であるオンライン専売方式を踏襲したものであるが、さらにカーシェアとネット販売を組み合わせる新しい試みといえる。
ただ、この現代自の日本再上陸作戦の是非を論じると、日本の乗用車市場が世界的にも類を見ない激戦区であるだけに、ボリュームを期待するのはムリであろうと筆者は考える。つまり、韓国・現代自が日本市場でのシェア拡大する狙いがあるならば、それは厳しいとみざるを得ない。
(略)
ヤフーニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/e8460006e17119bdb510f149d971444de172777d