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読売テレビ、在日コリアン題材に全社人権研修会「今もなおヘイトスピーチが存在」「マイノリティーの意見を尊重する番組作りを」
同研修会は、人権に関する幅広い知識を得て理解を深めることを目的に2019年から行っており、これまで「西成問題」「同和問題」「LGBTQ」「人種問題」「ジェンダー」がテーマとなった。第6回となる今回は「在日コリアン」を取り上げ、大阪市立大学名誉教授の朴一(パクイル)氏が「在日コリアンをめぐる諸問題」と題した講演を行った。
研修会は事前にビデオ収録され、オンラインで実施。その後、虎谷温子アナウンサーが、テレビをはじめとするメディアが番組制作をする上で特に留意すべき点を聞く対談パートも設けた。
朴氏は、兵庫県生まれの在日コリアン3世で、大阪市立大学で長年「在日コリアンに関する人権問題」について教鞭(きょうべん)をとってきた。一方、同局の『かんさい情報ネットten.』や『そこまで言って委員会NP』のコメンテーターを務めるなど、メディアでも積極的に発信している。講演では、普段はあまり語ることのない幼少期からの生い立ちに触れ、自身が実際に経験してきた差別や辛かった思いなどを、時に声を詰まらせながら明かした。
朴氏は「歴史的な経緯から、関西、特に大阪には多くの在日コリアンが生活している。その昔に何らかの差別を受け、苦労をして現在に至っている人もたくさんいる。自分自身も入居差別や就職差別を経験してきた。今の若者たちは、BTS は知っているが在日コリアンの問題は知らないという人も多い。しかしながら、今もなおヘイトスピーチが存在し、差別が行われているのも事実である」と伝え、「差別があるのは、誤解と偏見が原因。こんな人と関わりたくないから関わらないで済まそうとする心の距離があるからで、話せば分かりあえることが多い」と指摘した。
その上で、メディアが特に留意すべき点として「誤った発信をしないために正しい知識を得ることはもちろん大切だが、人間は差別をしてしまうもので、重要なのは差別に向きあう姿勢。すなわち差別をしてしまった時に、簡単にごまかして済ますのではなく、どこが不適切だったのか? どうすれば良かったのか? を掘り下げて考え、実際にどう対応するのかということではないか。また、番組作りについては、日々の番組の中に在日コリアンのようなマイノリティーが普通に存在していることが大切。ジェンダーバランスが言われる時代だが、マイノリティーバランスも重要であり、マイノリティーの意見を尊重する番組作りをしていってほしい」と意見した。
同局では、時代とともに変容する人権問題への意識を高めるため、今後もこうした研修会を適時開催していく。
ヤフーニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/a09ba8c04493d0865492be4c441d6c6a897a062f