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有識者が新庄ビッグボスにオススメしたい4つのトレード案「松本剛は今が売り時」
高濱祐仁←→田村龍弘(ロッテ)
現状の日本ハムで最大の弱点は、何年も固定できずにいる捕手。だが、他球団の正捕手をシーズン中にトレードで獲得することは不可能で、かといって控えレベルでは背比べをするドングリの数が増えるだけ。レギュラー級の力がありながら出番を失っている選手となると、高卒新人の松川虎生に正捕手の座を明け渡し、二軍暮らしに甘んじている田村が浮かぶ。
2015~19年は毎年100試合以上出ていた実績があり、28歳とまだ老け込む年齢でもない。日本ハムにとって、宇佐見真吾と競わせるには最適な人材だ。マリーンズ側からしても、捕手は松川以外に佐藤都志也、加藤匠馬、柿沼友哉がいて、田村が抜けてもそれほど困らない。経験豊富な捕手を同一リーグに出すのが嫌でなければ、推定年俸6500万円の選手を塩漬けにしておく理由はない。
交換要員は、ロッテの深刻な打力不足を解消できる選手として高濱を挙げたい。昨年は主に一塁で107試合に出場し、96安打、8本塁打とパンチ力を発揮したが、今季は清宮幸太郎が優先的に起用されていて出番を失っている。ロッテは昨年まで兄の卓也がいたこともあり、すんなり溶け込めるはずだ。
清水優心←→細川成也(DeNA)
もし田村が獲得できたら、かつて正捕手候補だった清水があぶれることになるので、このトレードも検討したい。昨年もチーム最多の98試合にマスクをかぶったが、今季の出場は5試合だけ。とはいえまだ26歳と若く、素材そのものは強肩強打で、環境を変えれば飛躍する可能性はある。セ・リーグはどこも正捕手がほぼ固定されているが、唯一の例外はベイスターズ。ここも数年にわたって捕手難に苦しんでいて、準レギュラー級の実績がある清水に興味を持つかもしれない。
交換要員は、こちらもDeNAで期待されながら伸び悩んでいる細川ではどうか。確実性に欠ける右の大砲で外野手、という点は万波中正や今川優馬とかぶっているけれども、タイプ的にはセ・リーグよりパ・リーグ向きに思える。大田泰示の加入もあって、DeNAの外野陣は明らかに人員過多となっているだけに、細川以外の外野手とのトレードもあり得るだろう。
渡邊諒または中島卓也←→糸原健斗(阪神)
開幕当初、日本ハム以上に負けが込んでいた阪神で、とりわけファンの批判の矛先が向かっていたのが糸原だった。もともと守備力の低さが指摘されていたが、今季は打撃も低迷。5月に入って上昇してはいるものの、トレードを望む声が少なからず聞こえていた。
仮に阪神が糸原放出を打診してきたら、交換要員はまず渡邉が考えられる(現在は故障中)。同じ二塁手であり、長打力は渡邉が上で、年齢も30歳の糸原より3歳若い。右打ちである点もバランスが良くなりそうだが、残念ながら守備に難があるのは糸原と同じだ。内野守備に弱点を抱える阪神からすれば、打撃はまったく期待できないけれども、二遊間の守りと足で貢献できる中島の方を好むかもしれない。
日本ハムが糸原を獲得するメリットは、通算.350を超える出塁率の高さ。今季は積極的な打撃を推奨するビッグボスの方針もあって、四球数はリーグ最低にまで落ち込んでいるので、その点を改善できる可能性を秘めている。守備には多少目をつむってでも、獲得する価値はあるのではないか。