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【河北新報】約90年前の展覧会に出品後に行方不明になっていた、伊達政宗作の「達磨図」仙台市内で発見
仙台藩祖伊達政宗が描いたとされ、1928年に仙台市で開かれた東北遺物展覧会に出品後に行方不明となっていた「達磨図」が、約90年ぶりに市内で見つかった。鑑定に当たった元仙台市博物館長の東海林恒英さん(87)は「館長時代、毎日のように遺物展覧会の図録で眺めていた絵。まさか巡り会えるとは思わなかった」と驚く。市などとも相談の上、公開の機会を探るという。
政宗作とみられる絵が見つかったのは、2015年に宮城県塩釜市の旧家に保存されていることが分かった「梅ニ雀」に続き2例目。
「達磨図」は縦67・5センチ、横34・5センチ。眼光鋭い達磨が描かれ、右上に、政宗の信頼が厚かった清嶽(せいがく)禅師の詩文(讃、さん)「這老?胡(このろうそうこ) 癡々兀々(ちちごつごつ) 面壁九年(めんぺきくねん) 眼如漆突(めはうるしのごとくつく) 劣孫清嶽宗拙拝讃」が添えられている。
1933年に刊行された東北遺物展覧会の図録に写真があり、出品者は東京の大槻茂雄となっている。茂雄は仙台藩ゆかりの国語学者大槻文彦の養子。大槻一族を研究している岩手県一関市博物館所蔵の資料によると、文彦がこの絵を購入したのは1894年。「清嶽生家伊庭氏旧蔵」との記述があり、清嶽の実家である旧仙台藩士の伊庭家の旧蔵品だったことが分かる。
(略)
河北新報 2022年5月17日 6時00分
https://kahoku.news/articles/20220516khn000022.html