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大谷のやる事なす事〝ネット騒然〟乱発に松崎菊也「日本の記者はいちいち記事にするな。ネット騒然としてほしいだけだろ」
公開日:2022/05/12 06:00 更新日:2022/05/12 06:00
大谷翔平が球場入りする時に、右肘に巻いていたサポーターに「私服でも肘をケアする大谷にネット騒然」という記事が出る。
節度ある大谷贔屓のオレとしては「肘のケアは投手として当然だろう。いちいち記事にするなよ」と思う。
母の日にピンク色のバットで打席に入ると「ピンクバットで母へ感謝し、ネット騒然」と出る。
節度ある大谷贔屓としてのオレは「球団が母の日だからピンクのバット持てと指示したんだアホ」と思う。
ボストンのフェンウェイパークでスポーツ担当じゃないのに球場まで駆り出された地元紙の記者が、客席からスマホで動画を撮ろうとしたが、
大谷がレフトフェンス、通称「グリーンモンスター」直撃のヒットを放つ瞬間に前の席の男が立ち上がったので決定的な瞬間を撮り損ねた。
「その瞬間がコレだ。ネット騒然!」という記事が出る。
節度ある大谷贔屓のオレとしては、「素人記者がツイッターに上げたヘタクソ失敗動画をほじくり出した日本のスポーツ記者。おまえヒマだな」と思う。
ワシントン・ナショナルズ戦でヒットを放ち、一塁ベース上で両手を広げてライト方向に手を振った。
それを「大谷神対応、ファンの声援に手を振る」と出ると「ファンサービスなら他の選手もやってる」「大谷はむしろ素っ気ない」とかいらん書き込みはあるが、
節度ある大谷翔平贔屓としてのオレは「本当にネットが騒然としてる記事は『ネット騒然』とは書かない。
ネット騒然としてほしいだけだろバカめ」と思いつつも、「何が神対応だ。あれはたぶんファンに対してじゃない。
去年オールスターゲームのホームラン競争で対決した相手チームのソト外野手が外野から声を掛けたから手を振って応えただけだろう」と思うが、わざわざ書き込んだりしない。
■驚愕の事実?
大谷翔平はたぶん、なんでも「ネット騒然」にうんざりしてるだろう。
節度ある大谷贔屓としてのオレは、オレ以外のこいつら全員を「大谷翔平ネットパパラッチ」と呼ぶ。根拠のない臆測記事にはくみしない。
そして、ついに、ファンに対してもソトに対しても手を振ったのだという驚愕の事実に気づいて、独り騒然とする!
ソト選手のフルネームは「ファン・ソト」。大谷は両方へ手を振るという神対応をしたのだ!
……まだ誰も気づいてないこの事実を、フフフ、書き込もうかどうしようか、今悩んでいる。
松崎菊也(戯作者)
1953年3月9日、大分県別府市生まれ。日大芸術学部放送学科卒業後は宇野重吉らが率いる「劇団民藝」に所属。
その後はコントグループ「キモサベ社中」「キャラバン」を経て、88年にコントグループ「ニュースペーパー」を結成。リーダー兼脚本家として活躍した。
98、99年にはTBSラジオ「松崎菊也のいかがなものか!」でパーソナリティーを務めた。現在も風刺エッセイや一人芝居を中心に活躍中。
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/304994
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/304994/2
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/304994/3
画像:ピンクのバットを持てば…
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