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日本人の脱マスクはいつ?「しないと下着をつけ忘れたような恥ずかしさ」を抱く人も
岸田文雄首相のGW外遊が思わぬ波紋を広げている。
英国ジョンソン首相、ローマ教皇など欧州歴訪中は、ノーマスクで要人と会談していたのに……。翌5月6日、政府専用機から羽田に降り立つ岸田首相はしっかりマスクを着用していたのだ。
このダブルスタンダードな光景に疑問を抱いた人も多いだろう。どうして日本ではマスクを外せないのか? これまで数々の日本人論を手がけてきた九州大学教授の施光恒氏はこう解説する。
「日本人が屋外でもマスクをつけるのは、『私は他人に迷惑をかけない常識人』と証明するためです。悪く言えば『同調圧力』『監視社会』で、良く言えば『規範意識』『配慮』の両面がある」
◆脱マスクが進む欧米
一方、欧米では着々と脱マスクが進む。英国では1月に屋内や公共交通機関での着用義務をなくし、米国でも4月に航空機内での義務が撤廃された。
「欧米では法律でマスク着用を義務付け、罰則まで科したので、マスクは自由を抑圧する象徴的存在だった。日本はあくまでも“お願い”なので、マスクを外すタイミングを決めづらい。またコロナ前から日本人は世間体を気にするあまり、他人の視線がプレッシャーになりやすかった。これまでマスクをつけていなかった人も表情を隠すとラクに生きられるので、今ではマスクをしないと下着をつけ忘れたような恥ずかしさを抱くようになっている」
◆7月の参議院選挙が契機に?
そんななか7月の参議院選挙が一つのターニングポイントになると施氏は指摘する。
「選挙運動を正常に行うため、自治体やマスコミが脱マスクを言いだすかもしれません。お墨付きをもらえば、マスクをしなくても『非常識』とは思われないので、安心してマスクを外せます。
社会心理学者のハイネは『日本人の頭の中には鏡がある』と言いました。他者の目に映る自分を常に意識しているからです。日本人がみなマスクをしている姿を見ると納得しますね」
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6月以降、外国人旅行客の受け入れ再開に伴い、新たな問題が懸念される。
「機内で飲食時にマスクを外すのは問題ないのに、それ以外のときに少しでも鼻が出ているとCAに注意されます。変な基準です。ここにノーマスクの外国人が加わる。日本人だけマスクがズレていると注意される不公平な事態は避けてもらいたいですね」(施氏)
<取材・文/週刊SPA!編集部>
※週刊SPA!5月10日発売号より
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