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日本へすり寄る韓国の本音「通貨スワップ」再開への望み 新政権発足も止まらぬウォン売り、中国の機能不全で輸出にも不安
9日の外国為替市場でウォン相場は一時、1ドル=1270ウォン台後半をつけ、約2年2カ月ぶりのウォン安水準となった。
日本も円安が進んでいるが、理由は明確だ。米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利を0・5%引き上げるなど金融引き締め路線を強めているのに対し、日銀は金融緩和を継続している。
だが、韓国は韓国銀行(中央銀行)が昨年8月以降利上げを繰り返し、4月14日には1・50%まで引き上げたのに、ウォン売りが止まらないから事態は深刻だ。
韓銀の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は25日、現時点で経済成長よりもインフレが懸念要因との認識を示した。中央日報(日本語電子版)によると「まだウォンの切り下げ幅は他国に比べて激しい方ではない」というが、さらなる利上げは国内経済を痛めつける。
韓国の1~3月期の実質国内総生産(GDP)は前期比0・7%増となり、昨年10~12月期の1・2%から鈍化した。家計の債務が増え続け、消費の落ち込みが響いた。
輸出にも不安が残る。最大の貿易相手国である中国では上海などのロックダウン(都市封鎖)で機能不全となっている。北京も感染が広がっており、不透明感が漂う。
4月25日の朝鮮日報(日本語電子版)は社説で、ウォン安で投資家による「韓国売り」が始まっていると冷静に分析した上で、通貨スワップの重要性を主張した。日韓関係を正常化した上で「韓米日の三角通貨スワップによる安全弁を構築しておけば、これから押し寄せる金融引き締めの大波を乗り切る上で大きな役割を果たすはずだ」と力説している。
朝鮮近現代史研究所所長の松木國俊氏は「この社説は韓国の本音だ。米国とのスワップ契約も昨年末までで終了しているため、安定通貨であるドルや円とスワップ契約を行うことは、韓国経済にとってセーフティーネットになる」と解説する。
日韓スワップは、2012年に当時の李明博(イ・ミョンバク)大統領が島根県・竹島に上陸するなど日韓関係の悪化を受けて規模が縮小し、朴槿恵(パク・クネ)政権当時の15年、韓国側が一方的に破棄した。
協定再開に期待を寄せる報道が韓国から出たのと前後して、尹次期政権の代表団が訪日し、4月26日に岸田文雄首相らと面会した。
前出の松木氏は「韓国はこれまでの反日暴挙に対し、日本が納得する解決策を用意しなければならない。それができるまで日本が対応することは何もない。岸田政権の対応も国民が目を光らせておく必要がある」と指摘した。
夕刊フジ
https://www.zakzak.co.jp/article/20220510-5BBUCPB3DNKQDCGVBQGZ3UORYM/