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声優の三ツ矢雄二さんが日髙のり子さんが語る『タッチ』収録現場の懐かしエピソード。「タッちゃん」のひと言のために付きっきりで掛け合いを【超声優祭2022】
声優の三ツ矢雄二さんと日髙のり子さんによる対談特番番組『三ツ矢雄二の超声優祭くじメイト特番~なんでもCV:三ツ矢雄二編~ #2@超声優祭2022』が、2022年4月28日20時より、ニコニコ生放送にて放送されました。
『タッチ』の上杉達也(三ツ矢さん)、浅倉南(日髙さん)としての出会いから始まり、じつに37年間にわたってアニメファンから愛されてきたこのコンビ。今回もそんな期待に応えて『タッチ』収録当時の裏話などを、絶妙なコンビネーションで語っていきました。
この記事では、番組内のトークの中から、とくに印象的だった当時の思い出エピソードをピックアップして紹介していきます。
『タッチ』現場での感動エピソード。三ツ矢さん「あっしのことをもっと愛して!」
おふたりの共演作といえばやはり『タッチ』なわけで、オープニングでは「僕らはセットでいろいろな番組に出てきているから、『タッチ』のこともしゃべり尽くしてちゃっているんだけどね」と三ツ矢さん。
しかし、すかさず日髙さんが「だけど三ツ矢さんは、しゃべったことをほどよく忘れてるでしょ」とツッコみ、「いつでも新鮮な気持ちで当時のエピソードを語れる得な体になったと思いましょう!」と話したことで早くも笑いが巻き起こりました。
そんな日髙さんが、三ツ矢さんと初めて会ったのは『タッチ』の制作発表会の際。六本木のディスコを貸切にして行うという、当時のアニメ業界としては異例の形式だったそうですが……そのころ声優デビューから間もなかった日髙さんは「いつもこんな華やかなんだ、アニメ業界ってすごいな」と勘違いしてしまったのだとか。
『タッチ』の主要な役にはベテラン声優ばかりが起用されたなか、ヒロイン役としてアフレコ現場に臨むことになった新人だった日髙さん。
初回では「軽やかに演じる皆さんを後ろから見ていて、すごく楽しそうに感じた」のもつかの間、いざ自分の番になるとミスばかりして、その度に流れを止めてしまうのが非常に申し訳なかったと語ります。
関係者のなかでも、ヒロインへの新人起用を心配する声は多かったとのこと。主役を務める三ツ矢さんのもとにも、「三ツ矢くんから日髙さんに○○とアドバイスしてあげてほしい」、「三ツ矢くんはもっと日髙さんに△△なアプローチをしてやれ」と連日電話が入っていたらしいですが……。
三ツ矢さんとしては、制作外部からの意見は日髙さんのプレッシャーにしかならないだろうとの考えから、すべてご自身のところでシャットアウトすることを決断したそう。このエピソードを聞いていた日髙さんは、「すごい先輩!」と感激していました。
そんな風に、先輩としてときに優しく、ときにきびしく接していたという三ツ矢さん。ある日の収録で、日髙さんの「タッちゃん」というひと言だけのセリフにどうしてもオーケーが出なかった際には、本来ならば日髙さん単独で録り直すところを付きっきりで掛け合いを演じたこともあったと語ります。
そして、それでも行き詰まっていた様子の日髙さんに対しては、思わず「あっし(僕)のことをもっと愛して!」と激励を送ったという熱いエピソードも。日髙さんは「あっし……?」と一瞬キョトンとしてしまったそうですが、 三ツ矢さんの勢いに気圧されて「はい!」と答えてしまったと、当時を懐かしんでいました。
その後も、『タッチ』のイベントで全国を飛び回っていた当時にまつわる爆笑エピソードが、おふたりから続々と語られていくことに。
とあるデパートで開催されたイベントで「○時から“タッチショー”を開演いたします」とのアナウンスに、ヨコシマな期待を抱いたおじさんたちが集まってしまったというお話には、「なるほどw」「wwwww」とのコメントが多数寄せられていました。
トンガリ役ができたのは野沢雅子さんからのアドバイスのおかげだった!?
番組内では、なかなかイケメン役を演じさせてもらえないことを嘆く素振りも見せていた三ツ矢さん。対して日髙さんは、「イケメンボイスを求められるような場面が訪れる度に、三ツ矢さんが絶対トンガリ(キテレツ大百科)方向で演じる茶目っ気を見せるからでしょ!」とツッコみます。
実際、日髙さんのなかでも「みんな絶対タッちゃんを期待しているのに、なぜトンガリにいっちゃうかなぁ……」というもどかしさは強くあるご様子。「三ツ矢さんのすごいところは、“裏に秘めた想いがあるなかで何気なく振る舞う演技”のうまさ」だと語っていました。
当時、達也役としてそうした絶妙な演技を披露していた三ツ矢さんにとって、トンガリ役は自身としても非常に大きな挑戦だったとのこと。役作りにあたっては、並々ならぬ苦労があったことが明かされていきます。
これまで主役級のキャラクターを多く演じてきたものの、脇役だからといって仕事を断ることはしたくなかったと話す三ツ矢さん。そんな想いからトンガリ役も快諾したのですが、小学生役となるなると当然これまでのアプローチでは演じきることができません。
悩んでいた三ツ矢さんに光明をもたらしたのは、野沢雅子さんからの「小学生の子を演じたいのなら、実際に小学生の子を見ればいいんだよ」というアドバイスだったそう。かくして三ツ矢さんは近所の小学校に通い詰め、フェンス越しに遊んでいる子どもたちを見ては、はしゃぐ声を真似する特訓に励んだのでした。
その甲斐あって(?)、あのトンガリの特徴的な演技が身についていったと言いますが……最初のアフレコでトンガリボイスを披露した際の監督からの反応は「三ツ矢くん、無理しないで」だったとのこと。
日髙さんもトンガリの役作りエピソードには感心しつつも、「やっぱり三ツ矢さんは変につくらず、脱力したときの声がイチバンいいのに」との想いを吐露。ただ一方で、「そうやって無理しがちだけど、そこがいいところでもある。三ツ矢さんはがんばってるよ!」と励ましの言葉も送っていました。
そのほか、番組ではニコ生ゲーム「縁日射的」の超声優祭バージョンをプレイしたり、日髙さんが貴重なプライベート写真とともにお気に入りの「ガラスペン」を紹介するコーナーもあったりと大盛りあがり。
ラストで日髙さんが「みんな忘れてるかもしれないけど、私は今日ゲストだったんだよ!?」と話したように、ダブルMCかと見紛うほどの息ピッタリさでたくさんのエピソードが語られていきましたので、まだ見ていない方は下記リンクよりぜひチェックしてみてください。