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阪神よ、「2番・佐藤輝」は愚策だ! 50年前の〝三原マジック不発〟とかぶる矢野采配
佐藤輝の打順に伊勢氏は…(東スポWeb)
阪神は19日のDeNA戦(横浜)に4―5で敗れ、借金は今季最多タイの14に逆戻り。リーグワーストのチーム打率2割1分9厘と貧打にあえぐ打線をテコ入れするため、2番に据えた佐藤輝が2回に5号ソロを放つなど3安打したものの、チームは逆転負けを喫した。日本球界でも定着しつつある「2番最強打者論」だが、本紙評論家の伊勢孝夫氏は「現状の阪神において2番・佐藤輝は愚策」と指摘。自身が現役時代に仕えた伝説的名将の〝失敗〟を具体例として挙げた上で、阪神は新打順の構築が急務であると提言した。
【伊勢孝夫・新IDアナライザー】打者一人ひとりを生かすも殺すも打順次第だ。1番中野、2番佐藤輝、3番近本、4番大山というここ数試合の阪神のオーダーに私は首をかしげてしまう。まず、開幕21試合を消化し、いまだにひとつも四球を選べていない中野を1番で起用しても意味がない。1番は絶対に近本に戻すべきだ。近本は打者を返すタイプではなく「塁に出て本塁へかえってくる」打者。前者と後者では打撃へのアプローチがまるで変わってくる。現に3番に入ってからの彼は本来の持ち味である打席内での積極性がまるで感じられない。このままでは彼の持ち味が損なわれてしまう。
2番に入った佐藤輝はこの日も5号ソロを含む3安打1打点と好調を持続。名実ともに彼は今、チーム最強の打者だ。阪神打線は佐藤輝をいかに生かすか、有効に使うかという点から逆算してオーダーの組みなおしを図るべきだろう。
結論から言えば、私が現在最適と考える打順は1番から近本、糸原、大山、佐藤輝、糸井の並びだ。この日2安打2打点と復調の気配を見せた糸原は粘って球数を稼がすことも四球を選ぶこともできる打者。2番として十分に機能するだろう。4番に佐藤輝がいることで、相手バッテリーは3番・大山へ歩かすことを覚悟した上での厳しい攻めができなくなる。配球が甘くなることで大山の打撃成績が向上することも期待できる。
佐藤輝の後の5番には、ここまで勝負強さが際立つ糸井。チームバッティングのできないロハスより、6番には守備力も含め高山を入れてほしい。中野は7番あたりの下位に置いてこそ持ち味が生きてくるだろう。
米球界発の「2番最強打者論」を頭ごなしに否定するつもりは毛頭ない。ただそれは巨人のように2番坂本、3番ポランコ、4番岡本和、5番丸のように2番以降の打順に強力な打者を揃えることができてこそ機能する布陣だ。巨人などに比べ現状の打者陣が質量ともに劣る阪神がまねたところで意味がない。
私が近鉄で現役選手だった昭和40年代に、当時監督だった三原脩さん(故人)が「2番最強打者論」を提唱&実践した時期があった。2番に当時の主砲だった土井正博さんを置いたわけだが、3番に入れられた私も含め、それ以外の打者陣が貧弱だったため十分に機能せぬまま。三原さんも十数試合してから土井さんを4番に据える元のオーダーに戻した。時代を50年先取り、2番最強打者論を独自に試そうとした三原さんの慧眼にも驚くばかりだが、機能せずと早々に判断し元のオーダーに戻した柔軟性もまた、名将たるゆえんだろう。
もう一度言う。1番には近本、4番には佐藤輝だ。チームの軸は動かしてはいけない。
(本紙評論家)
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