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韓国経済、尹政権スタート前から前途多難 「上海ロックダウン」に「円安」直撃 文政権が残した〝負の遺産〟
韓国銀行(中央銀行)は14日、政策金利を0・25%引き上げ、年1・5%とすることを決めた。利上げは昨年8月以来、4回目となる。
今年3月の消費者物価指数は前年比4・1%上昇し、物価の抑制が急務だった。米国が利上げにかじを切ったことで、ドル建て債務の多い韓国はウォン安に歯止めをかける必要もあった。
愛知淑徳大ビジネス学部の真田幸光教授は「利上げは債務者の利払い負担が増え、政府による国債の利払い負担が増えるほか、株価も下がるという副作用がある。景気を考慮すれば避けたいはずだが、それ以上に為替変動リスクが韓国経済に与える悪影響に対する危機感を持っているための決断とみられる」と説明する。
日本が金融緩和を継続し、円安で推移していることも韓国にとっては大きな心配材料となっているようだ。朝鮮日報(日本語電子版)は、「問題は円安が続けば、日本の輸出品の競争力が高まることだ」と報じ、「石油・化学、自動車など日本と世界市場で競合する韓国の業界を中心に輸出競争力が低下しかねない」とするシンクタンク研究員の分析を紹介する。韓国にとっては「悪い円安」のようだ。
中国経済の問題もある。最大の経済都市である上海市などではロックダウンが2週間以上も続いており、欧米企業の工場も相次いで停止している。
中国景気が後退すれば、貿易や投資面で依存度の高い韓国への悪影響も小さくない。
前出の真田氏は「現在の韓国経済は、簡単に回復するような状況にない。尹政権がスタートしても、為替を安定させないことには景気浮揚政策を取ることは難しく、財政出動を伴う景気対策もセーフティーネット的な政策に留まるのではないか」と指摘した。
尹政権は、前途多難の船出となりそうだ。
夕刊フジ
https://www.zakzak.co.jp/article/20220417-AY5EY4MXIRL7HHCSYM47E6ZNZI/