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【朝鮮日報】日本の品種を追い出して光復、大韓イチゴ万歳!
韓国は今年、植物新品種保護国際連盟(UPOV)への加盟20周年を迎えた。UPOVは、音楽アルバムやソフトウエアの特許のように、食品の種も知的財産権で保護しようとの趣旨で設立された国際機関だ。UPOV加盟後、外国産の品種を搬入する際に支払わなければならないロイヤルティーを節約しようと始められた韓国産種子開発が、農家所得の増進に大きく貢献している。
■イチゴの種を輸入していた韓国、今では輸出国に
農村振興庁によると、野菜や花卉(かき)、果樹、特殊農産物などの4分野13作物により支払われるロイヤルティーは、2012年の175億7000万ウォン(約17億6000万円)から昨年は95億8300万ウォン(約9億6000万円)へと半減した。作物を栽培する際、国産品種をどれだけ使用しているかを示す国産化率は、10年前の17.9%から昨年は29.4%にまで上昇した。2012年に44.6%だったキノコの国産化率は昨年60%になった。特にマッシュルームは、国産品種のトダムのおかげで国産化率が72.3%にまで上昇した。開発費4億ウォン(約4000万円)を投じて開発した「トダム」は、農村振興庁が作った「セア」「セハン」などの品種を再改良したものだ。トダムを開発した農村振興院のオ・ヨンイ農業研究士は「セハンを育てたキノコ栽培士(農民)たちからキノコの形が楕円(だえん)形だと指摘され、新しく開発したのがトダム」とし「トダムは柔らかさも改善されたほか、冷蔵保管期間も1-2日間伸びた」と改良に伴う効果について説明する。
キノコよりも高い国産化率を誇る作物はイチゴだ。2005年に開発された「ソルヒャン」という品種は、当時80%を占めていた日本の品種を追いやった。「ソルヒャン」の急速な普及に伴いイチゴの国産化率は昨年96.3%まで上昇した。特に、イチゴは韓国産の品種が人気を集め、2012年に2244万ドル(約27億4000万円)だった輸出が、昨年は6348万ドル(約77億6000万円)にまで増えた。韓国産のイチゴが高級果物と認識された香港やシンガポールでは、コロナ以後に物流網が閉鎖されると、チャーター機まで利用して輸入するケースも見受けられた。韓国産イチゴの種「サンタ」は、1500万ウォン(約150万円)のロイヤルティーで中国に輸出することとなった。
■パプリカやキャベツなどの新種も続々登場
事実上の「種子独立」を成し遂げたイチゴは、新しい改良品種も続々と登場している。忠清南道農業技術院のイチゴ研究所が作り出した「キングスベリー」「サニーベリー」「ドゥリヒャン」などが代表的だ。忠南道論山市でイチゴ農家を始めて9年になるパク・スジンさんは、今年2000平方メートル規模のビニールハウスに「ドゥリヒャン」を植えた。「ドゥリヒャン」は「ソルヒャン」よりも糖度が1-2ブリックス(brix、1ブリックス=100グラム当たり糖分1グラムを含む)高く、香りも良い。パクさんは「忠南研究所で新しく開発された品種ということで、試しに『ドゥリヒャン』を植えてみたが、おかげで今年はイチゴの在庫がなくなるほどによく売れた」と現況を語った。
朝鮮日報
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/04/15/2022041580113.html