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阿部寛、『とんび』公開記念舞台挨拶で「顔の濃い人に振り向いてもらうには?」という恋の悩みに「メイク濃い目で」と珍回答
重松清の同名小説を映画化した『とんび』の公開御礼舞台挨拶が4月15日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催され、阿部寛、安田顕、瀬々敬久監督が登壇。観客からの質問に答えるティーチインも行われたが、女性から「顔の濃い人に振り向いてもらうためにはどうしたらいいですか?」との質問が上がり、これには思わず阿部も大笑い。「顔の濃い人って同類を好む。メイクを濃い目にするとか…」と珍回答を繰りだし、会場を盛り上げた。
『護られなかった者たちへ』(21)の瀬々監督と『宮本から君へ』(19)の脚本家・港岳彦がタッグを組んだ本作。主人公の破天荒ながら愛すべき父のヤス役を阿部、ヤスの息子であるアキラ役を北村匠海が演じ、いつの世も変わらない親子の絆を描く。阿部は「今日はこんなに多くの方に来ていただき本当にうれしく思っています」と会場を見渡し、「この作品に出会い、いろいろな人との出会いがありました。岡山の人たちも、スタッフもキャストもみんな温かい人たちだったので、それがスクリーンに出ていると思います。本当に楽しい撮影でした」と充実感を語り、大きな拍手を浴びていた。
劇中で阿部と安田は幼なじみの関係性を演じている。本作で5回目の共演になるという2人。安田は「阿部さんとご一緒できるのが、私のモチベーション。2年に1回は呼んでほしい」と阿部への愛情を吐露。阿部は「もちろん」と応じ、「最近は定期的にやらせていただいている。今回はどういう役で来てくれるんだろうと、すごく楽しみな俳優さんです」と語る。
瀬々監督が「安田さんは、現場にいるとコンダクターのように現場をまわしている感じがある。長年、劇団をやっているからだと思うんです。次の共演は指揮者を2人で争うような役をやってほしい。合唱団とか」と次なる阿部&安田コンビの共演に期待。阿部が「親友は結構やっているし、教師もやったし、刑事と犯人もやったし…。あとはなにがいいですかね?」と尋ねると、安田は「僕は阿部さんとご一緒できるなら、なんでもいいですよ。最終的には、阿部さんのご自宅のそばに住もうと思っていますから」と微笑みながら、「勝手に見てみたい、阿部寛さんの役というのがある。良寛さんをやってほしい」とリクエストした。
すると阿部は「おじいさんから(自分の名前の)“寛”の字は、良寛からとったと聞いたんです。いま、びっくりしました」と偶然にも良寛と縁があったそうで、安田も「ええー!」と目を丸くした。すると阿部も案を練り始め、「(安田は)科学者みたいな役が合っていると思う。僕はフランケンシュタインって好きなんです。実写でやってみたいなと思っている。安田くんは、それを作った科学者役」と希望。2人のさらなる共演作のメガホンを取ることを期待された瀬々監督は、「頑張ります!」と元気よく答えていた。
会場の質問にも答えることになったこの日。観客から「最近泣いたことは?」と投げかけられると、安田は「先週行われた舞台挨拶。瀬々さんが『試写を観た原作者の重松さんが、『ここにヤスがいた!と駆け寄ってきたくれた』という話をしていた。その後、涙でコメントに詰まってしまう瀬々さんを見た瞬間、僕はグッときて感動してしまいました」と振り返る。阿部も「僕もそれが一番。映画に対する愛情を感じた」と話す。また同じ質問に対して瀬々監督は「この話をすると泣きそうになるんですけれど。青山真治監督が亡くなったことです」と回答し、「一緒に映画美学校で講師もしていたので」と声を詰まらせるひと幕もあった。
そして「最近気になっている人がいる。その人もちょっと顔が濃い人なんです。振り向いてもらうためにはどうしたらいいですか?」という女性には、阿部が「顔の濃い人って、同類を好む。メイクを濃い目にするとか…」と笑い、「同じ種族だとホッとすることがある。以前、外国の人のものをやった時があるんですが、いまでもみんなで集まって傷口を舐め合うところがある」と「テルマエ・ロマエ」シリーズのメンバーとはいまだに交流が続いている様子。安田は「好きな彼と会う時は若干、濃い目でいこう。そうすると相手も安心するぞ、という答えです」と楽しそうにアドバイスしていた。
取材・文/成田おり枝