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虎の〝開幕投手〟が帰ってきた! 阪神・青柳がかつての課題を「強み」に勝てる投手へ
東スポWeb
チームを救った青柳(東スポWeb)
本来は開幕投手を務める予定だった男がチームを救った。阪神が15日の巨人戦(甲子園)に4―1で快勝、ようやく今季2勝目を挙げた。6連敗で迎えた一戦で、勝利への執念を燃やしたのが、8回1失点の好投で今季初先発初勝利を挙げた先発・青柳晃洋(28)だ。開幕直前に、コロナに感染。復帰までの道のりを急いだ一方、チームは悪夢のような黒星地獄。開幕から3週間遅れで帰還した「青柳さん」の存在は、逆襲への〝切り札〟となりそうだ。
昨季、13勝で最多勝&最優秀防御率のリーグ二冠の金看板で「開幕投手」が内定していた青柳だがその直前、不運が襲った。3月17日に新型コロナウイルスに感染し、チームを離脱。前日までチームは17試合で1勝15敗1分けと、屈辱的な序盤戦に最も責任を感じていたのは、青柳だったのかもしれない。
3週間遅れとなった自らの〝開幕〟で、これまでのうっ憤を一気に晴らした。「自分的にも悔しい感じはありましたけど、いち早く戻ってチームの流れを変えるピッチングをしたいと」と、首位・巨人を8回1失点。気迫の95球には矢野監督も「8回まで行ってくれたのも大きいし、ベンチに帰っても、ずっと声を出してくれていた」と久々勝利の立役者として、青柳の存在をいの一番に挙げた。
昨年は東京五輪代表として金メダルを獲得し、キャリアハイの成績を残した飛躍の1年。それでもなお現状に満足することなく、自己研鑽できるところも指揮官が信頼を寄せるゆえんだろう。
もともと投ゴロを処理した後の送球フィールディングに難があった。それをワンバウンド送球で克服する術をマスターし、犠打処理の際の〝ワンバン送球〟は球界でも広く知られるようになった。だが、それだけでOKとせず、送球技術は今季から〝二刀流〟を導入している。
2月のキャンプ、投内連係の練習では一~三塁までの送球はすべて、ノーバウンドで送球。この日の巨人戦でも、初回無死一塁の場面で若林の犠打を一塁へノーバン送球した。
もちろん状況により「ワンバンで投げるときもあります」と従来の方向性は継続しつつ「土の甲子園で雨でグラウンドが濡れていたり、ぐちゃぐちゃなときに、ワンバンで投げるのは、野手にとっても捕球しづらいものになりますからね」(青柳)とかつての〝課題〟は今や、状況に応じて「使い分ける」ほどの強みに変えた。
進化した姿を今季初登板で、結果でも中身でも披露した右腕は、お立ち台で3万4153人の虎党に「すいません! 遅くなりました」と改めて復帰を報告。「勝てる投手」になるための研究を怠らない男は、投手陣の中心的存在として、今年も頼りになる。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6c8f45781d525c7e152250fad75adb9c30111340
勝てば官軍