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コンビニのレジで「無言でタッチすればいい」と思っている客の大きな勘違い
コンビニで長く働いてきた筆者。辞めていた時期もあるが、現在はライター業の傍ら、知り合いの店長に「人手不足」を理由に頼まれ、空いた時間だけ手伝う生活をしている。
今回は、理不尽なクレームや意味不明な行動を起こすモンスター客について書いていきたい。筆者はベテラン店員なので、たいていのトラブルは未然に防げるが、それでも頭を抱えてしまうことがある。
◆見知らぬ人から「台車を貸してください」
昼間、若い男性がこうたずねてきた。
「あの〜、すいません。台車が店にあると思うのですが貸してもらえないでしょうか?」
正直、意味がわからない。いくらコンビニが便利だからといって、なぜ見ず知らずの人に貸さなければならないのか。これが知り合いだったらまだわかるのだが、初めて見る顔だ。
「え、どうしてですか?」
「今、目の前の道で重い荷物を運んでいまして。台車を貸していただけないかと」
借りたまま、返却に来ない可能性もあるだろうし、壊されても困る。筆者には判断できないので、とりあえず店長を呼んだら速攻で断っていた。
男性が去ったのち、店長は「なに考えているんだよ。なんでもコンビニに求めるのはオカシイだろ」と呆れていた。
◆納得がいかないクレーム
飛沫防止シートほど邪魔なものはなく、客の声が聞こえにくいうえに視界も悪くなってしまう。忙しい時間帯での出来事だ。
女性客がタバコを買って帰ったあとに次の客がレジに来た。スキャンをしていると、40歳ぐらいの女性客が少し怒ったように言う。
「前に女性客がいたじゃないですか」
「はい」
「あの人、私の前に割り込みしたんですよ」
そう言われても困ってしまう。本当はどうなのかもわからないので、「あ、そうなんですか。わからなかったです」と答えるしかなかった。
「そういうのをしっかり見て、注意をしてもらわないと困るじゃないですか!」
後から防犯ビデオで確認すると、クレームを入れてきた客がレジに来るのか来ないのかはっきりしない動きをしていた。その間に別の客がレジに来て、割り込む形となってしまったわけだ。そんな一瞬の出来事を、見られるはずがない。
よっぽど腹が立ったのだろうか。こっちは普通に働いていただけなのに、とばっちりを受けるとは……。
◆タバコは種類が多すぎて「全てを把握しているわけでない」
思いも寄らない言いがかりは意外と多い。普段タバコを買わない常連客が、知り合いに購入を頼まれたのか、アイコスの聞いたことのない種類を言ってきた。
筆者は探してみたが、見つからなかった。
その常連客は「あれ? おかしいな。聞いてからまた来ますね」と言って出ていった。その数分後、店に戻ってくると、ヒーツの種類を伝えてきた。
商品を渡して終わりと思ったのだが、いきなり「最初からこのタバコと知っていたんじゃない?」とワケのわからないことを言い出したのだ。呆気にとられていると、語気を強めて言う。
「この種類はヒーツにしかないみたいだから、わかっていたんじゃないの!?」
「いえ、ぜんぜんわからなかったです」
正直言って、タバコの種類は多すぎて全てを把握することはできないが、ほとんどの客はタバコの下についている番号で伝えてくれるのだ。
その客は、まるで筆者が意地悪をしたように言ってくるのだが、そんなわけがない。常連客なので以前、世間話をしたことがあるし、悪い人ではないことは知っているが、気分が悪くなった。
◆支払い方法は言われなければわからない
失礼な客には日常的に出会うので、もはや慣れっこでもある。ちなみに、支払い方法を言わない客は、店員から評判が悪い。
交通系ICカードならば見せてくれればわかるが、いきなり財布や定期入れを端末に当てたりする。なぜか若い女性に多いのが特徴だ。
それ以外にもクレジットカードやWAON、ID、QUICPayなど、支払い方法もたくさんあるにもかかわらず、本人は“言わずともわかるだろう”という感じなのだ。
先日、若い女性が来店した。会計になると、いきなり定期入れをかざした。内心では、“またこのパターンかよ”と思いながら「なにでお支払いでしょうか?」と聞く。
「これ」
「これとは?」(“これ”じゃわからないよ!)
そして、パタパタと何回も当ててきたのだ。態度が悪くて驚いた。
「えっと、パスモですか?」
「はい」
最初から普通に「パスモで」と言えばいいだけなのである。
◆商品を放り投げる母親
常連客のなかに問題の親子がいる。何度も注意しているにもかかわらず、母親は店の入り口に自転車を停める。息子は店内で騒ぎ、走り回る。
商品を触りまくり、勝手に持っていこうとするのだが、母親は「返してこい」と言うだけで、きちんと所定の位置に戻されているのか確認しない。商品の位置が微妙にズレているので、結局は店員が戻すことになるのだ。
ついに先日は、会計後、息子が勝手にお菓子を持って店外まで出ていったのだ。子供とはいえ、窃盗だ。普通だったら母親は店に謝罪して商品を元に戻すだろう。
ところが、母親は「なに勝手に持ってきているの!」と叱ったのち、そのお菓子を店内に放り投げたのだ!
それを見ていた店長の奥さんが激怒して「これは売り物ですよ!」と叫んだ。まあ、この親子はそんな出来事も忘れて、また呑気にやってくるんだろうな。
<取材・文/浜カツトシ>
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