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3年ぶり「3回戦」復活の東京六大学野球、9日開幕 各チームの特徴を探る
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東京六大学野球リーグが9日、神宮球場で開幕する。今季は2019年以来、1勝1敗の場合は3回戦以降も行われる2戦先勝方式の「勝ち点」制が復活し、延長戦も行われる。7日は、各大学の主将と監督が記者会見を行い、今年のチームの特徴を語った。
●野手の柱が抜けた慶大、次の「柱」は?
昨年の春秋シーズンを制した慶應義塾大学は、打線の中軸を務めた正木智也(福岡ソフトバンクホークス)、センターラインの渡部遼人(オリックス・バファローズ)や福井章吾(トヨタ自動車)といった中心選手が卒業した。投手陣は増居翔太(4年、彦根東)をはじめ、渡部淳一、生井惇己(ともに4年、慶應)ら経験豊富な選手が最終学年を迎え、ある程度の失点は計算できる。それだけに打線の奮起が連覇へのカギとなりそうだ。
下山悠介主将(4年、慶應)は会見で、「中心選手が抜けたところを全員でカバーして、ノーヒットでも1点が取れるようなチームをめざしてきた」と語った。自身の打撃はこれまで「フェンス手前で捕られたり、外野の間を抜けない打球があった」と分析し、この冬はバットを振り込んで、パンチ力を強化。「力強いバッティングに注目してほしい」と語った。
●早大の理想は「5対3、5対4」で競り勝つ
慶大とは対照的に、早稲田大学の小宮山悟監督は、投手陣の台頭を期待している。徳山壮磨(横浜DeNAベイスターズ)、西垣雅矢(東北楽天ゴールデンイーグルス)の両エースが抜け、「大変なことになってしまいました」。春のオープン戦で投手陣は「いい投球もあったけど、目も当てられない試合も多かった」。リーグ戦は相手打線との相性を考えながら、ベンチ入りしている投手全員を起用する覚悟も持つ。
未知数な投手陣をカバーするため、中川卓也主将(4年、大阪桐蔭)は「5点取れる打線というのが、今年のチームの特徴だと思います」。投手陣には、「3、4点は取られていいから、大量失点だけはしないように」と告げ、5対3または5対4で競り勝つ展開を理想にしている。
●コロナに見舞われた明大、執着心を胸に
明治大学は、不測の事態がチームを襲った。田中武宏監督によると、今年に入ってから、チーム内に新型コロナウイルス陽性判定を受ける選手が相次いだ。特にバッテリー陣に感染者が多く、試合が思うように組めなかったため、オープン戦の初戦は3月16日。「これだけ実践感覚がない中で戦うことはなかった。私よりも選手たちの方が、不安な点も多いのでは。ただ、言い訳にはしない」と言う。
戦力的には、昨秋のリーグ戦で打率4割をマークした捕手の蓑尾海斗(4年、日南学園)や山田陸人(4年、桐光学園)ら、内野陣が経験を積んでいるのが強み。村松開人主将(4年、静岡)は「昨年は1アウトや1球に泣いた試合が多かったので、新チーム発足当初から『1球を大事にしよう』ということをテーマにしてきた。1球への執着心は、すごくある集団だと思います」とチームの長所を挙げた。
●ドラフト候補が率いる立大、3回戦を知る強み
立教大学は1年のときからレギュラーとして出場し、今秋のドラフト候補選手としても注目される山田健太(4年、大阪桐蔭)の活躍が、優勝のカギを握る。1年春で打率3割7分5厘、2本塁打をマークして鮮烈デビューを飾ったが、ここ2年間は「納得いくような結果が出ていない。冬はバッティングを中心に強化してきました」
山田にとって最大の強みは、経験値だろう。今季は山田が1年だった2019年以来、3回戦以降が行われる「勝ち点」制が採用される。「1勝1敗で迎えた3試合目は、大変な感覚になる」(早大の小宮山監督)と言うほど、緊張感が漂う大事な一戦。山田は「経験しているのは自分たちの代だけで、未知の世界の部員も多い。先を見ても仕方ないので、目の前の試合を勝ちにいく」と意気込む。
●「得点圏打率5割超え」をめざす法大
早大と同様、法政大学も山下輝(東京ヤクルトスワローズ)、三浦銀二(横浜DeNAベイスターズ)とプロに進んだ二枚看板が卒業した。加藤重雄監督は「投手は7人ベンチに入れて、調子のいい投手をどんどんつぎ込む」と総力戦を見込む。
打線は昨年の春秋と、2季連続で二塁手のベストナインに選ばれ、主将に就いた齊藤大輝(4年、横浜)が中心。高校時代から打撃には自信があったため、冬は守備練習に重点を置いた。「しっかり守れれば、バッティングにつながるんじゃないかと」。昨秋は好投手がいながら、得点力不足が響き、10試合中6試合が引き分け。この春は「得点圏打率5割超え」をめざす。
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