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“大谷ルール”の施行に米記者が「最も笑える」と皮肉! 「個人に対する特別なルールが承認された」と持論
「監督としての問題も少なくなるし、それは彼にとってもそうだ。彼にとってもその日の計画を立てたりするのが非常にやりやすくなる」
ロサンジェルス・エンジェルスのジョー・マッドン監督がそう語るルールは、同球団に所属する大谷翔平に多大な効果をもたらすと注目されている。その内容は、「投手」でスタメンに名を連ねた選手が、降板後にはDHとして試合出場を続けられるというものだ。
そもそもは、昨年7月のオールスター戦でも適用されたもので、さらなる二刀流プレーヤーの誕生と活躍を促すために暫定的に設けられた。MLBにとってみれば、昨季に“リアル二刀流”で話題となった大谷の活躍の場を広げれば、それだけ収益に繋がるという狙いもあると見込んでの制定だった。
多くのファンが偉才のさらなる活躍を期待する一方で、球界内では小さくない反発の声もある。というのも、現時点でフルシーズンを通してプレーした二刀流選手が大谷しかいないため、エンジェルスや大谷本人に有利に働くのではないかという見方が強いのである。
そんな“大谷ルール”の施行を「最もお笑いのネタにできる」と語ったのは、米紙『Daily Journal』のベテランコラムニストであるジョー・グザード氏だ。
無死2塁から始まる延長戦のタイブレーク方式など、あらゆる変更がもたらされた今春のMLBと選手会の決定に「馬鹿げている」と断じた同氏は、「何よりも笑えるのは、エンジェルスのショウヘイ・オオタニという選手個人に対する特別なルールが承認されたことだ。これは最も笑える」と糾弾した。
さらに同氏は球界屈指の打撃センスを持つマディソン・バムガーナーの「3か月後、あるいは来年には全く違うルールのなかでやることになる。僕らは近いうちにウィッフルボールみたいなものをプレーするようになるかもしれない」というコメントを紹介。そのうえで、次のように皮肉を漏らしている。
「2022年の変化に驚くべきではない。選手たちは、平均450万ドルという低年俸のままだが、試合後の会食を楽しみたいがために試合を早く終わらせようとしているし、プレーオフの試合数増加は、選手とオーナーにとってより多くのお金を意味している。
さらにオオタニルールは、いまや“野球の最大の魅力”となった男をより長くフィールドに立たせるのに役に立つ。かつてファンが国民的娯楽として親しんでいたゲームとして認識するのは、もはや難しい」
急激に進んでいる人気低迷に歯止めをかけるべく、新たなルール制定を決意したMLB。しかし、その急転直下での変更は現地で完全には受け入れられていない様子だ。そうしたなかで、メジャー5年目を迎える大谷の一挙手一投足は、新ルールの是非にもかかわりそうなだけに、興味深く見守りたい。
DIGEST
https://news.yahoo.co.jp/articles/899e8f9ffcebfe8c6fba4fad6eefff5f5703e1d7