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北朝鮮がハリウッド映画風のミサイル発射映像を作った理由
新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17(Hwasong 17)」の発射実験を行う映像を発表した。
発射の準備が進む中、金正恩(Kim Jong Un)総書記が将軍らを従えてカメラに向かってくる。サスペンス調の音楽とともに、金氏と2人の将軍は
時計を確認し、スローモーションで金氏がサングラスを外してうなずくと、兵士が「発射!」と叫び、ミサイルの発射ボタンが押される。
この映像は、ソーシャルメディア上ですぐにパロディーがつくられた。
世宗研究所(Sejong Institute)北朝鮮研究センター(Center for North Korea Studies)の張成昌(Cheong Seong-chang)氏はAFPに対し、
こうした映像スタイルについて「北朝鮮は軍事力への自信を深めており、映画風にして楽しむ余裕さえある」と述べた。
金正恩氏の父親の故・金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong Il)総書記は大の映画ファンで、映画産業の発展に力を入れ、
1978年に韓国の映画監督と女優の拉致を命じたこともあった。
北朝鮮は今も映画に多額の資金をつぎ込んでいるが、作品の多くは金一族をたたえるプロパガンダだ。
だが、今回のプロパガンダ映像には、外国の影響が明らかに見て取れる。韓国芸術総合学校(Korea National University of Arts)で
映画学を教えるキム・ソヨン(Kim So-young)氏は「クエンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino)監督の犯罪映画『レザボア・ドッグス(Reservoir Dogs)』や、
韓国のギャング映画『新しき世界(New World)』を連想させる」と指摘した。
北朝鮮は昨年、外国からの影響を排除するための法律を制定し、外国映画を視聴・所持した人を処罰している。(c)AFP