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阪神糸井嘉男、球団5人目40歳以上で開幕スタメンへ「矢野さん胴上げする」17年ぶりVけん引
チーム最年長、阪神糸井嘉男外野手(40)の開幕スタメンが決定的となった。オープン戦最終戦のオリックス戦(京セラドーム大阪)に「6番左翼」で先発出場。井上ヘッドコーチは「左翼の候補の中で一番ベテランの糸井が調子いい。調子のいい人間を使いたい」と明言し、状態の上がらない本命ロハスをかわし、最有力となった。40歳以上で開幕スタメンとなれば球団5人目となる。
超人糸井が自らのバットで開幕スタメンを2年ぶりに取り戻した。最後のオープン戦は6番左翼で先発。本命ロハスは9番DHだった。試合後、井上ヘッドコーチは「今のところこういう形がいいのかなと考えたオーダー」と打ち明けた。
積極的だった。2回無死一塁でオリックス先発山崎颯の初球、内角直球をスイング。高々と上がる三飛に倒れたが、その残像は迫力十分だった。4回の再戦ではストレートの四球を選んだ。オープン戦は12試合出場で打率3割4分6厘、7打点。2本塁打は4番佐藤輝と並びチームトップと打ちまくった。井上ヘッドは「左翼の候補の中で一番ベテランの糸井が調子いい。調子のいい人間を使いたい」と開幕左翼に当確ランプをともした。
40代の開幕スタメンなら阪神では20年福留以来2年ぶり5人目。昨季は主に代打だったが、今季はキャンプから若手に負けずフルメニューに励んだ。アメリカンノックや慣れない一塁でのノック、さらに下半身を鍛え、フリー打撃ではチーム一の飛距離で柵越えを連発した。精力的な取り組みで、矢野監督から野手のキャンプMVPに選ばれた。
オープン戦も好調。15日ソフトバンク戦で2号ソロを放ち「まだグラウンドを駆け回りたいので」とスタメンに懸ける思いを熱く口にした。18日オリックス戦の2安打には「もう開幕している気持ちでやっている」と語り、チーム最年長は調整ではなくとっくに本番モードに突入していた。
1日キャプテンだったキャンプ終盤には西勇と企画し、目標達成を前もって祝う「予祝」で矢野監督を胴上げした。「優勝して矢野さんを胴上げする。それだけを求めてずっとやっている」と、今季限りで退任する指揮官への思いは強い。衰え知らずで元気いっぱいの40歳がスタメンでけん引する先、17年ぶりのリーグ優勝が待っている。【石橋隆雄】
◆阪神で、40歳以上で開幕戦でスタメン出場した選手は過去4人。49年若林忠志、75年アルトマン、09~12年金本知憲、18~20年福留孝介。
◆開幕時に40歳7カ月の糸井は30代でも開幕戦に先発経験があり、スタメン復帰なら阪神野手では初となる。開幕投手では、30代で経験のある若林が41歳の49年に返り咲いている。球界全体で見ると、野手では18年の開幕時に42歳のロッテ福浦和也が、37歳だった13年以来5年ぶりに開幕戦で先発して以来。なお開幕投手では、20年に40歳のヤクルト石川雅規が、37歳の17年以来3年ぶりに務めた例がある。