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阪神の懸案持ち越し、新守護神候補“投げないまま”開幕へ オープン戦では岩崎&ケラー9回登板せず
◇オープン戦 オリックス2ー1阪神(2022年3月20日 京セラD)
懸案の阪神新守護神問題に明確な回答は出なかった。最終戦で岩崎が登板したのは8回で、1回を1四球を与えただけで抑えた。18日に1回を投げていたケラーはベンチを外れた。候補2人とも最終回に抑えとして試運転することなく、オープン戦は幕を閉じた。
前日までの14試合では1イニング限定の「抑え」として、斎藤、湯浅らのべ11人を最終回に起用した。失点は1試合だけ。数字の上でブルペン陣は好成績に映る。ただ…。本番さながらの重圧のかかる場面では、簡単にパフォーマンスを発揮できないことを、小野が露呈した。
1―0の9回2死三塁で登板し、14球連続ボール。押し出し四球を与えたあげく、最後はサヨナラ暴投の後味が悪い形で幕切れした。チームとして5日の楽天戦以来の黒星が付き、7連勝で止まった。過去5試合は全て無失点に抑え、中継ぎとしての評価が上がっていたプロ6年目右腕でさえストライクが1球も入らないほど、勝利目前の僅差の最終回に1死を取るのは、難しいことなのだ。
福原投手コーチは、岩崎が9回の予行演習を一度もしなかったことについて、過去の実績から問題なしだと強調した。「そこにこだわっているわけではないので、今は」。最速159キロ右腕ケラーに関しては「ファームの試合で使いながら、それからですね」と22日からのウエスタン・リーグ、オリックス3連戦で試して“開幕抑え”が可能かどうか、判断することも示唆した。
2年連続セーブ王のスアレスが抜け、再構築を余儀なくされた勝利の方程式。理想は8回=岩崎、9回=ケラーながら、来日2週間強のケラーが仕上がるまでは、抑え岩崎が有力とみられる。最適解の模索は開幕寸前まで、いや、開幕してからも続きそうだ。(倉世古 洋平)