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総合コーチ全廃で見えてきたポスト原の一番手・阿部慎之助コーチへの〝英才教育〟
東スポWeb
坂本勇人(左)に打撃指導する阿部慎之助コーチ(東スポWeb)
巨人次期監督の大本命はやはりこの男か。新たに3年契約を結んだ原辰徳監督(63)の下で、後継者の育成も進められている。今季からは「総合コーチ」を全廃し、コーチ個々の役割と責任の所在を明確化。主に攻守で縦割りされたが、その中でもただ一人、〝フリーパス〟で行き来が認められているのが阿部慎之助作戦兼ディフェンスチーフコーチ(42)だという。
16日の中日とのオープン戦(バンテリン)は4番・中田が3ランを含む全4打点を叩き出し、4―0で快勝。先発した堀田も開幕ローテ入りに前進する5回無失点の好投で、引き分けを挟む連敗を「7」で止めた。
25日の開幕を控え、戦力の見極めが最終段階に入った一方、首脳陣は今季から「総合コーチ」の肩書がすべて消えた。これは「昨年の反省という点で、それぞれの(コーチの)役割を大まかにまとめてしまったというのはある。それによって、選手たちも少し迷わせてしまうこともあったかな」との原監督の考えによるもの。つまり、誰がどの部門を管轄するのかの線引きを明確にしたわけだ。
さらに、原監督とコーチ陣のパイプ役も兼ねる元木ヘッドがオフェンス、阿部コーチがディフェンス、桑田投手コーチが投手部門の「チーフ」となり、それぞれ分業化された。こうした割り当ての中でも〝特例〟が認められているのが阿部コーチだ。額面通りの役割であれば、バッテリー部門を中心とする守備全般となるわけだが、攻守の垣根を越えて春季キャンプでも2年目の秋広らに惜しげもなく打撃指導を行ってきた。
ともすれば〝越権行為〟とも受け取られかねないが、阿部コーチは「僕はそうではないと勝手に思っていて。ゲームになれば守り、特にバッテリーの責任者は僕になると思うから。そこはそっちに集中しないといけないし、そればかりになってもダメだし、なるべく全体を見るように心がけている」と明かしていた。
また、チームスタッフによると「原監督も阿部コーチには攻守の両面で指導することを認めていると聞いている」という。現役時代には長らく正捕手として君臨し続けただけでなく、打っても通算406本塁打に2132安打。捕手陣の底上げ、または打力アップのどちらかだけに役割を限定するのはもったいないとの判断もあるようだ。
この日の試合前、阿部コーチは内野陣にノックの雨を降らせた合間に、打撃練習中の坂本や吉川らに寄り添って助言を送った。さらに試合中の攻撃時には元木ヘッドが三塁コーチに入ったため、指揮官の傍らで話し込みながら戦略を巡らせていた。
次期監督はオーナー側の意向などもあり、原監督の一存だけで決まるわけではないが、元木ヘッドや桑田コーチらの名前が取りざたされる中、一軍の全部門にまたがって修行を積む阿部コーチへの〝英才教育〟は続いていく。
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