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【戦争屋】ゼレンスキー大統領“感動演説”の裏に「戦争広告代理店」の影…日本では何を話すのか?
米議会はスタンディングオベーション(C)ロイター
ゼレンスキー大統領“感動演説”の裏に「戦争広告代理店」の影…日本では何を話すのか?
「今、ベルリンの壁ではなく、欧州に自由と不自由を隔てる壁ができている。その壁は爆弾が落ちるたび、ウクライナを助ける決定が見送られるたびに高くなる」
17日、ドイツ連邦議会で、そう力説したのはウクライナのゼレンスキー大統領だ。ロシアとの戦争が膠着する中、最近、欧米諸国の議会でのオンライン演説に力を入れている。
英国、カナダ、米国、ドイツと各国議会を“行脚”。どの国でも熱い演説が評判を呼び、演説後も議場からの拍手が鳴りやまないほど。巧みなのは演説する国の歴史背景を踏まえ、内容を変えていることだ。
英議会での演説では「われわれは森で、野原で、海岸で、通りで戦う」と語り、ナチス・ドイツと戦ったチャーチル元首相の歴史的演説になぞらえ、戦う決意をアピール。米議会では「真珠湾攻撃」や「9.11」を引き合いに出し、「私たちはこの3週間、毎日、毎晩、同じことを経験している」と訴えた。
演説の途中に流すビデオ映像も強烈なインパクトだ。悲壮感のある音楽に乗せ、笑顔あふれる平和な市民の映像が一転、市街地の砲撃シーンに。負傷した妊婦や子供が担架で運ばれ、病床で子供の心臓が止まるピー音に続き、逃げ惑う市民の涙、涙、涙。悲惨な死に方をした遺体を映し出した最後に「Close the sky over Ukraine」の文字──。
自国上空にロシア軍機の侵入を許さない「飛行禁止空域」の設定という、ゼレンスキー大統領がNATOに求めるメッセージで締めくくる。あまりにも感動的すぎる演説も映像も、ちょっとデキすぎじゃないか。
■「琴線に触れる言葉と感情に訴える映像はプロの仕事」
「演説する国々の人々の琴線に触れる言葉を選び、感情に訴える映像の力はプロの仕事です。ゼレンスキー大統領の周辺には国際世論をつくり、誘導する優秀なスタッフが間違いなく付いている。ウクライナ一国の技量とは考えにくく、欧米の著名な“戦争広告代理店”がプロパガンダに協力しているはずです」(元大手広告代理店勤務で作家の本間龍氏)
ゼレンスキー大統領は日本の国会にも演説を打診。与野党は実現に向け動いているが、一体、何を話すのか。
「恐らく日露戦争に言及するでしょう。20世紀以降の戦争でロシアに勝った国は日本だけ。『かつて小国だった日本も大国と戦って勝利を得たのだから、われわれも日本に勇気をもらって、奮闘する』といった内容になるのではないか」(本間龍氏)
戦前回帰を望む政治家は喜びそうだが……。
【写真】ゼレンスキー大統領のビデオ演説では、ウクライナでの戦況や悲壮な国民の姿の映像もー(画面に映し出された文字は、「これは殺人である」)/(C)ロイター
ヤフーニュース(日刊ゲンダイ)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20220318-00000030-nkgendai-life