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立民、共産、れいわ、社民、参院選1人区協力協議へ 立民、党勢が回復せず野党共闘は引き続き「立共」主導に
立憲民主党の泉健太代表は18日、共産、れいわ新選組、社民の3党党首とそれぞれ会談し、夏の参院選改選1人区における野党候補者の調整を申し入れ、協議を始めることで合意した。
ただ、野党第二党の日本維新の会は交渉の対象に含まず、基本政策が異なる共産との連携に否定的な国民民主党からは距離を置かれており、従来の「立共」主導の野党共闘にとどまる見通しだ。
会談は立民が呼びかけ、泉氏は社民の福島瑞穂党首、共産の志位和夫委員長、れいわの山本太郎代表と個別に会談した。終了後、泉氏は記者団に「野党がバラバラでは多くの選挙区で勝てないだろうといわれている。1人区では候補者調整をしていくということだ」と述べた。
呼びかけの対象外だった維新は立民から野党第一党の奪取を目指しており、藤田文武幹事長は16日の記者会見で、立民による候補者調整の動きに関し「うちには声をかけてこないと思うが、私はまったくやる気はない」と明言していた。
一方、泉氏が「申し入れの対象」とする国民民主との党首会談も実現しなかった。国民民主は「候補者調整の枠組みに共産が入るならば絶対にやらない。比例票が減るだけだ」(幹部)との構えを崩していない。加えて国民民主はガソリン税の一部を軽減する「トリガー条項」の凍結解除を求めて自民党との距離を詰めている。自民幹部は「国民民主が候補を擁立する1人区の対応、個別候補の支援では協力できる可能性がある」と述べており、参院選では自民が国民民主を側面支援する展開もあり得る。
泉氏の訪問を歓迎したのは1月から立民に候補者調整のための政党間協議を呼びかけていた共産だ。志位氏は党首会談後の記者会見で「互いに協力していこうという意思が確認された点が非常に大事だ。協議の中で前向きな一致を得るための努力をしていく」と満足げに語った。
泉氏は昨年の代表就任後、共産との関係を「白紙にする」と主張していた。また、立民は先の衆院選を「敗北」と総括し、選挙区での共産を含む野党候補の一本化に関し「想定していた結果は伴わなかった」と戦略見直しの必要性を強調していた。しかし、その後も党勢は回復せず、野党共闘は引き続き「立共」中心に進むことになりそうだ。