あわせて読みたい
【韓国】コロナ感染爆発、火葬場はパンク状態 「水ワクチン疑惑浮上」
一方、日本の防疫対策を「バカか、問題は検査だ」(中央日報2020年4月24日)などと揶揄(やゆ)してきた韓国はどうか。
3月13日までの1週間を見ると、「1日当たりの平均新規感染者数は30万人超」、そして、15日は午後9時までの集計で44万人超。地獄の状況だ。
文在寅(ムン・ジェイン)政権が、飲食業に多い自営業者の機嫌を取るため、オミクロン株の蔓延(まんえん)が始まっても「緩い社会的距離政策」を続行してきたことが最大の理由だ。
もちろん、大統領選挙で与党候補の李在明(イ・ジェミョン)前京畿道知事を勝たせるためだった。
オミクロン株に感染しても重症化する比率は極めて低い。それなら感染者が増えても、自営業者の票を取り込んで選挙に勝つ方がいい―という〝悪魔の発想〟だ。
しかし、政権もここまで感染が爆発するとは想定していなかったのだろう。
韓国の人口は日本の4割だ。日本に引き移して考える場合は、数字を2・5倍しなくてはならない。
「1日当たりの平均新規感染者数は30万人超」とは、日本でいえば75万人超、15日の44万人超とは110万人ということだ。
コロナ対策の司令部に当たる中央災難安全対策本部会議を主宰する金富謙(キム・ブギョム)首相まで感染してしまった。
オミクロン株で重症化する比率はきわめて低いとしても、これほど感染者が多ければ重症者の絶対数は増える。
韓国の防疫当局は重症者の集計対象を「人工呼吸器・ECMO使用者」 だけにするなど、さまざまな姑息な措置を講じている。
防疫当局の発表では、重症者用病床にはまだまだ余裕があることになっている。
だが、実態は病床は用意されているが、医療スタッフが不足していて、「重症者用病床に入るには死者が出るのを待っていなくてはならない」という状況だ。
地域によっては、すでに「火葬場のパンク」まで伝えられる。
オミクロン株により死亡するケースはほとんどが感染から3~4週間後というから、これからも残酷な状況は続く。
まさしく「ヘルコリア(地獄の韓国)ここにあり」だ。
それにしても変だぞ。韓国のワクチン2回接種率は86・4%、3回接種率は61・1%(2月27日)だ。
日本は2回接種率が79・3%、3回接種率はまだ30・1%(3月14日)にすぎない。
ここで改めて浮上するのは「水ワクチン説」だ。
ワクチンの確保量が足りないのに、接種率を上げるため、生理用食塩水で薄めたワクチンを接種したのではないかという疑惑だ。
日本のテレビで「K防疫を見習うべきだ」と叫んでいた人々は、いま何を言っているのだろうか。
室谷克実
1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。