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教育を受けることが義務づけられる。 学校制度がまだ存在しない古代から現代の義務教育制度に通ずる社会制度は存在した。古くはスパルタにおける7歳から30歳の男性に対しての義務的な教育制度が存在し、自由民に対する文武両道の教育
56キロバイト (8,720 語) – 2022年2月14日 (月) 12:38
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SPA! 3/16(水) 8:53
今年4月から高校の家庭科で「資産形成」についての授業が始まるなど、「お金の教育」に注目が集まっている。メガバンクやメルカリまで金融教育に参入するなか、実際に学校を訪れていち早く「お金の授業」に取り組んでいるのが、税理士の大河内薫氏だ。本連載では大河内氏から「お金の義務教育」の大切さを伝えてもらう。
子供にお金について正しく教えられますか?
こんにちは! 税理士の大河内薫です。僕は税理士事務所を営む傍らYouTubeでお金の話をしたり、お金の教育を考えるオンラインサロンを運営しています。
また最近では、全国の学校でお金の授業を行っています。僕の人生をかけての目標は「お金の教育を義務教育に導入すること」です。
今これを読んでいる人のなかには「お金なんて毎日使ってるし、なにをいまさら」と思う人もいるかもしれませんね。しかし皆さんは、学校でお金について教わった経験はありますか?
またお子さんのいる人は、子供にお金について正しく教えられますか?
日本語と同じくらい大切なのになぜ学校で「お金」は教えない?
僕たちは日本語を国語の授業で学びます。四則演算を算数の授業で学びます。ではお金についてはどうでしょう?
日本語や四則演算と同じくらい毎日お金を使うのに、学校でお金について教わることはありません。冷静に考えると、それって不自然じゃないですか?
たしかにそんなことを考えずとも生きていける時代もありました。例えば、’74年の郵便貯金の定期預金の金利はなんと7.5%。預金するだけで、お金が10年で2倍近くに増える計算です。
しかし僕たちはどうでしょう。終身雇用制度も崩壊し、金利はほぼゼロ、お金を銀行に預けても物価上昇に伴い資産価値は目減りするだけ。そして老後資金2000万円問題で取り沙汰されたとおり、個人で老後の資産形成をしていく流れはもはや不可避!
この時代を生き抜くには、マネーリテラシーは自分を守る鎧、いや空気くらい必要不可欠なものです。
お金の知識なしでは夢すら叶えられない
日本銀行による調査では、’21年の日本の家計の金融資産は、現金・預金が半分以上を占め、株式と投資信託は合わせて15%以下という結果に。
かたやアメリカでは、株式と投資信託は50%以上を占めています。いかに日本人が投資を敬遠しているかがわかりますね。
また少し大きな話になりますが、日本が経済大国から転落し、コロナ禍で経済が停滞し続けているのも、政治家による金融リテラシーの欠如が一因だと僕は思います。
家庭レベルで見れば、住宅ローン破産や有利子の奨学金の借り入れ、リボ払い、自分が将来いくら年金をもらえるかわかっていない……など、お金の知識がないために起こる悲劇は枚挙に暇がありません。
お金を正しく使えることは別モノ
また、子供がマネーリテラシーがないまま大人になると、お金(収入)を得る選択肢だって限られてしまいます。時間を切り売りする労働集約型的な働き方しか知らず、収入を得る手段は給与所得しか思い浮かばない……そんな働き方の選択肢が少ない状態は、終身雇用制度が崩壊した時代では心もとないものです。
ここで誤解してほしくないのが、稼いでいる人=マネーリテラシーが高い、とは限らないこと。売り上げを高める能力とお金を正しく使えることは別モノです。
「人生はお金がすべてじゃない」という人もいるでしょう。しかし資本主義社会で生きていく以上、お金なしで生きていける人はいません。
大河内薫氏
(出典 i.imgur.com)