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ロシアで外国企業の製品(日本含む)がパクり放題に 特許の保護を撤廃する法令がロシアで可決される 撤退企業の営業も強制継続へ
Постановление Правительства Российской Федерации от 06.03.2022 № 299 ∙ Официальное опубликование правовых актов ∙ Официальный интернет-портал правовой информации
http://publication.pravo.gov.ru/Document/View/0001202203070005
МЭР России обсуждает снятие ограничений на использование интеллектуальной собственности – Экономика и бизнес – ТАСС
https://tass.ru/ekonomika/13982403
Russia allows patent theft from anyone in ‘unfriendly’ countries – The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/business/2022/03/09/russia-allows-patent-theft/
ロシア連邦政府は2022年3月6日付けで、第299法令「発明、実用新案又は意匠を特許権者の許諾を得ずに使用することを決定した場合に支払うべき対価の額を決定する方法及びその支払手続に関する第2項の改正について」を発令しました。この法令により、ロシアの企業は特定の特許を無断で使用しても、損害賠償を請求されることはなくなります。
アメリカ政府は以前からロシアにおける知的財産権の侵害を警告しており、2021年に知的財産の保護に失敗している疑いがあるとして、ロシアを「優先監視リスト」の9カ国のひとつに挙げていました。
ロシアの経済開発省は、ロシアへの輸入が制限されている多くの製品・サービスについて保護の撤廃を検討しており、「国民が欧米の企業から製品を奪われた一方で、制限解除によって第三国からそのような製品の輸入を合法化するものです」と述べており、ソフトウェアの特許や商標も保護撤廃の対象になる可能性もあります。
記事作成時点でロシア政府は商標に関する保護は解除していませんが、もしロシアで商標の保護が撤廃されれば、マクドナルドやスターバックスコーヒーなど、ロシアからすでに撤廃した企業ブランドの店舗の営業を強制的に継続させることも可能になります。
ロシアの国営通信社であるイタル・タス通信は「西側諸国の新たな制裁により生じたサプライチェーンの断絶や、商品・サービスの不足が市場に与える影響を緩和することができます」と述べています。
ワシントンの知的財産権弁護士ジョシュ・ガーベン氏は、「今回の特許・知的財産権保護の撤廃は、ウクライナ侵攻以上に欧米の対露投資に影響を与える可能性があります。プーチン大統領は、ロシアと世界との関係を永久に変えてしまったのです」と指摘しています。