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岸田首相「留学生はわが国の宝」、どう解釈する?
2022年3月8日、華字メディアの中文導報は、岸田首相が記者会見で「(留学生は)わが国の宝」と発言したことを評価し、外国人留学生の入国が日本の未来を救うことにもつながると指摘する記事を公開した。
記事は初めに日本の外国人留学生の減少傾向について説明した。日本学生支援機構の「外国人留学生在籍状況調査」によると、2019年5月1日の時点で31万2214人の外国人留学生がいたが、コロナの影響により、21年6月末には22万7844人に減ったという。「新コロナの影響で多くの留学生が日本に入国できず、留学先を別の国に変更するなど、教育界の国際化を阻む『日本離れ』が憂慮される中、日本政府が2年ぶりに留学生に向けて扉を開いた」として、日本政府の水際対策の緩和に言及した。
記事によると、3月1日の時点で「16万人を超える入国申請を受け付けている」とされ、その大部分は留学生だという。また、14日からは1日当たりの入国者数の上限が現在の5000人から7000人に引き上げられた上、留学生には「円滑入国スキーム」を設け、5月末までビジネス客が少ない平日を利用して、別枠で1000人程度を優先的に受け入れるという。
記事は次に、岸田文雄首相が3日の記者会見で留学生を「わが国の宝」と述べたことを評価し、「岸田首相の円滑入国スキームなどの対策は失敗した後に悪い部分を改善する『亡羊補牢(ぼうようほろう)』の行いかもしれないが、長い目で見れば、日本の留学生の間に断層を作ることなく、交流事業の継続をうながすものである」「留学生の入国が大学や教育業界だけでなく、日本の未来を救うことにもつながる」「岸田首相の『わが国の宝』発言は決して過言ではない」と論じ、その理由を三つ説明した。
一つ目は「日本の教育環境の国際化のため」で、「21世紀に入って、日本は20個近くのノーベル賞を獲得し、高等教育や基礎研究のレベルの高さを示す一方で、世界大学ランキングの順位はシンガポールや中国よりも低く、大学の国際化が遅れている。優秀な留学生を多く招くことで、日本の教育環境の国際化を進める必要がある」とした。
二つ目は「留学生が日本と海外の懸け橋となるため」で、「留学などの形式や生活時間の長短を問わず、日本に滞在歴がある人は日本と関連する仕事に従事することが多く、留学生は日本と海外を固くつなぐ役割を担う」とした。
三つ目は「少子高齢化社会の日本にとって、貴重なマンパワーとなるため」で、「留学生は在学中のアルバイトや勉学、卒業後の就職や起業などで日本社会にとってポジティブな変化をもたらし、日本社会だけでなく海外各国までカバーする労働力にも消費者にもなる」とした。
記事は最後に日経新聞の報道を引用し、世界最大級の言語学習アプリ「デュオリンゴ(Duolingo)」の利用データで、「日本語が21年に世界165カ国・地域のうち、19カ国で学習者の多い言語トップ3に入った」ことや「21年に日本語がトップ3に入った19カ国のうち、13カ国をアジアが占め、中国では3年連続で英語に続く2位だった」ことに触れ、「日本へ留学生を最も多く送り出しているのは中国であり、コロナの状況が終息した後には、日本を留学先に選ぶ学生がさらに増えるだろう」と指摘した。(翻訳・編集/原邦之)
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