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【経済危機】現金かカードか?レバノンの新決済システムで混乱続出 ウクライナ危機も「インフレ不況」に拍車 [上級国民★]
レバノンはここ数カ月、燃料危機に直面しており、ガソリンスタンドには長蛇の列ができている。(AFP/ファイル)
現金かカードか?レバノンの新決済システムで混乱続出
https://www.arabnews.jp/article/no-category/article_62896/
・スーパーはシステム間で支払いを分けるよう求め、ガソリンスタンドは全額カード支払いを拒否
・ウクライナ危機が「インフレ不況」に拍車をかけ、発電業者の大物は「もうすぐ燃料を買うお金がなくなるかもしれない」と警告
ナジャ・ホウサリ
ベイルート:レバノンのスーパー経営者たちは、顧客への新しい支払システム導入に関し、レバノン銀行が取った「強硬策」を非難した。
スーパー経営者組合のナビル・ファヘド代表によると、レバノン中央銀行が実施した変更のせいで、市場の「低流動性」を理由として、購入金額の50%を現金、50%を銀行カードで支払うよう要求されているという。
この動きは、ガソリンスタンドのオーナーたちが全額カードによる燃料代金の支払いを拒否する決定を出した同日に起きた。
経済学者のジャセム・アジャカ博士は、この決定がもたらす影響について、「物価が上昇する一方で、市民が銀行から引き出せるレバノン・ポンドの紙幣額は制限されている。この状況が続く限り、経済的に壊滅的な状態だ」と述べた。
同氏は、「このような状況下では、人々の消費も減少するため、GDP低下と経済の大きな収縮が引き起こされる」と主張した。
経済社会評議会のシャルル・アルビド議長は、「レバノンはインフレ不況に陥っている。つまり、消費と経済の動きが滞っている」と述べた。
エネルギー・運輸分野の運用価格も上昇していることから、同氏は「政府レベルで雇用者や労働者と共に解決策を考え、それを実行できるよう、現実的な参加型対話を今すぐ開始する必要がある」と述べた。
同氏はまた、「魔法のように素早く実行できる解決策はない」とも述べた。
その一方、レバノン銀行協会は、軍を含む公共部門の従業員に対し、政府承認の給付金を支払う予定だ。
この給付金は、月給の半額を追加するのと同等の額で、最低150万レバノン・ポンド(993ドル)から最高300万ポンドとなっている。うち6割は現金で支払われ、残りの4割は銀行カードや小切手など、その他の手段で振り込まれる。
行政職員協会のナワル・ナスル会長は、「もうこのようにばかげた大規模な施策を実行する余裕は、我々にはない」と語った。
同氏は、「人々はこれまで一日中働いてきたが、このような施策が適用されたら、それをやめるだろう」と述べた。
世界の石油危機と、それを深刻化させているロシアのウクライナ侵攻の影響は、レバノンにも及んでいる。
地中海沿岸国であるレバノンでは、1ガロンのガソリンが現在50万ポンドもするため、現金支払いが要求されている。
自家用発電機所有者グループのアブド・サーデ代表は土曜、「発電機に使用するディーゼル油の価格が上がっており、月々の利用料金も30%~40%上がるだろう」と警告した。
ディーゼル油の価格は、現在80万~200万ポンドの範疇にあるが、消費量によってはさらに値上がりする可能性もあるという。
サーデ氏は、「3月15日以降は、人々が消費額を支払えなくなり、(流動性が)過小化することで、ほとんどの地域で発電機が停止する可能性がある」と付け加えた。
レバノンは、2年前から深刻な経済危機に直面しており、海外への銀行送金が出来なくなっており、新たな預金管理の規則を導入した銀行もある。
レバノン・ポンドやドルでの引き出し上限額は、もはや国民が必要な額に見合うものではなくなっている。
貿易業者たちは、輸入業者に商品代金を現金で支払っており、このような施策に頼らざるを得なかったと主張する。
アジャカ博士は、「なぜ現金支払いをするか?第一に、供給先が現金支払いしか認めないからだ。つまり問題は供給先にあり、その理由を調査する必要がある。第二に、貿易業者は違法業者と取引しているからだ。第三に、状況が悪化したときの安全策として、現金を持っておきたいからだ」と説明する。
アジャカ博士の指摘によると、貿易業者は「銀行は、毎日の売上を銀行に預け、従業員の給与支払いを現金で送金するよう要求している」と主張している。
さらにアジャカ博士は、「現金に頼ることで脱税が増えた。貿易業者たちは売上を少なく申告し、銀行部門から経済に還元される財源を奪っている」と指摘した。…
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