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『まるで妖精のようだ』北京五輪メダリストのジェシー・ディギンズが“体型比較”をしたNYT記事に怒りの声明!「有害でしかない」
2022.03.10
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北京五輪の最中に掲載されたひとつの記事が、およそ1か月が経ったいまもなお、世界で物議を醸している。
現地時間2月8日に行なわれたのが、女子クロスカントリー・フリーの決勝だ。同レースで見事銅メダルに輝いたアメリカ代表、ジェシー・ディギンスに対して、米紙『New York Times』が次のような表現を使ってレポートした。
「スポーツにおいて、とても多くの女性ががっしりとした肩や太ももを有しているが、ディギンズはレーススーツを着ていると、まるで妖精のように見える。彼女のどこにそんなパワーが秘められているのかは分からないが、たしかに存在するのだ」
長い記事のなかのほんの一部分に過ぎないが、これがクロスカントリーの女子選手たちを筆頭に世界規模で大きな反感を買った。しかも、現在30歳のディギンズはちょうど2年前に出版された自叙伝『Brave Enough』において、十代の頃から重度の摂食障害に悩んできた事実を明かしており、トレーニングが思うように積めず、何度か競技生活の危機に瀕していたとも語っている。
沸き上がるバッシングに対して、同紙は釈明を求められた。「身体的な特性がパフォーマンスにどう関連しているのかを伝えたかった。今回のようなディギンズ選手の場合は、他の選手とは異なる彼女の身体的な特性を、詳細なデータとともに紹介すべきだった」と説明。記事を書いたマシュー・フッターマン記者はディギンズ本人に謝罪したとの報道もあるが、同紙のウェブサイトにはいまだ問題の箇所に修正が加えられないまま、記事が掲載されている。
そんななか、水曜日にディギンズ本人が公式インスタグラムで想いを明かした。困難を乗り越えて北京五輪の舞台に立てた喜びをあらためて表現し、支えてくれた家族や仲間への感謝を述べつつ、核心の部分についてはやはり怒りを滲ませて、次のように論じている。
「私の身体を、私の周りにいる素晴らしい女性たちと比較したNew York Timesの記事は、多くの点において有害でしかない。だからハッキリと言っておきたいの。指導者であれ、両親であれ、チームメイトであれ、友人であれ、どうかどうか、誰かの身体や体型、サイズについて語ったりしないでほしい」
彼女の投稿に対して、同じく北京五輪のクロスカントリーで鎬を削った仲間たちをはじめ、世界中の女性たちから賛辞とエールが贈られている。
構成●THE DIGEST編集部