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【維新・吉村はん】「イケメンやし、頭もええわ!」とアイドル扱い コロナ失政の実態はかき消された模様
コロナ禍のもと自民党から共産党までが新自由主義否定の旗を掲げようとする中で、唯一の新自由主義政党という立ち位置を手にした維新だったのだが、その本拠地・大阪は惨憺たる状況になっていた。詳しくは次回で触れるが、新自由主義の権化・維新が10年以上もの間牛耳ってきた大阪におけるコロナ禍の深刻さは尋常ではなかった。差し当たり1つだけエビデンスを挙げれば、昨年11月21日現在の100万人当たりのコロナ死者数は、全国平均147人に対して、大阪府は348人で平均の2.4倍。大阪市に至っては484人で、その3.3倍にも上ったのだ。「#大阪維新に*れる」という発信がSNS上を飛び交っていたのである。
そもそも初動においてコロナウイルスを甘く見て、2020年3月の3連休前に、松井市長が「花見解禁」をぶち上げて大ひんしゅくを買った維新である。その後も安倍-菅自公政権に勝るとも劣らぬコロナ失政のオンパレードとなっていた。
■橋本徹氏のモーレツ擁護で「やってる感」を醸し出す
見るに見かねた創業者の橋下徹氏が、おもむろにテレビに復帰して以来、吉村府知事と入れ代わり立ち代わり、連日のテレビジャックを繰り広げることとなった。
当初こそは〈大阪府知事時代、大阪市長時代に徹底的な改革を断行し、有事の今、現場を疲弊させているところがあると思います。保健所、府立病院など〉(20年4月3日)とツイートするなど殊勝に振る舞っていたものの、在阪テレビ局の情報番組に出ずっぱりになるや、橋下、吉村両氏は自分たちの失敗は棚に上げ、安倍-菅自公政権のコロナ失政を手厳しく批判しつづけた。そして、「やってる感」を最大限に醸し出すことに成功したのである。
口下手の極みともいうべき菅義偉首相(当時)と口から先に生まれたとしか思えない橋下氏や吉村知事との対比はあまりにも鮮やかだ。にわかに吉村人気が沸騰する。吉村氏の目に隈ができていれば「#吉村寝ろ」の書き込みがSNS上に躍り、「吉村さんはイケメンやし、頭もええわ!」などと黄色い声が飛び交う。もはやアイドル並みの扱いだ。こうして維新の大阪におけるコロナ失政の実態はかき消され、自公に対するオルタナティブとして、にわかに維新への注目が集まることとなったのだ。
維新の失地回復に加担した在阪メディアの責任は極めて大きい。同時に大阪におけるコロナ禍の実態を徹底的に暴露し、有権者に伝え切れなかった反維新の側の力不足も否定できないところである。 (つづく)
https://news.yahoo.co.jp/articles/af5d7639840a31ce6d7d770cfaa92d3cadde871a