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【ロシア】 なぜウクライナに侵攻したのか、極端に臆病で貧しい軍事大国ロシア
なぜウクライナに侵攻したのか、極端に臆病で貧しい軍事大国ロシア
1人当たりGDPは日本の4分の1
野口 悠紀雄一橋大学名誉教授
ロシアの1人当たりGDPは日本の4分の1で、マレーシアと同じくらい。先進国には入らない。輸出の大半が原油なので、原油価格が下落すると、経済が痛手を受ける。それに加えて西側の経済制裁があったため、経済が大きく落ち込んだ。それにもかかわらず、なぜウクライナに侵攻したのか?
ロシアは何と貧しい国!
ロシアは、多くの日本人が想像しているよりずっと貧しい国だ。
百聞は一見にしかず。グーグル・ストリートビューで歩いて見ると、よくわかる。どんな都市に行っても、都心部には立派な建物が並んでいるが、そこから離れると、驚くほどの貧しい町並みになる。
シベリア鉄道の終点ハバロフスク中央駅は、壮大な建物だ。しかし、一歩裏に回ると、道路は水溜まりだらけで、掘立て小屋のような家もある。その様子をこの「風景」(クリックすると開示)でご覧いただきたい。
中央の遠景に、中央駅の壮大な建物が見える。ここは、東京でいえば皇居前広場や大手町あたりになる。回りを歩いて見ると、道が舗装されていないところや、ゴミが収集されずに積み上げられているところもある。
もう一つは、マガダン。これは、オホーツク海に面する海港都市だ。樺太の北、カムチャツカ半島の付け根の近くにある。
スターリンの時代には、流刑者は船でマガダンに送られ、ここからシベリア各地の強制労働に送られた。第2次世界大戦での日本軍の捕虜も、マガダンに送られてから、300キロ北にあるコリマ鉱山などでの強制労働に送られていった。
こちらの「風景」(クリックすると開示)はスターリン時代のものではない。現代のものだ。あまりの状態に、多くの人は仰天するだろう。
キャサリン・メリデール『イワンの戦争』(白水社、2012年)は、第2次大戦の独ソ戦を描いたものだ。ドイツ軍を押し戻して西方に進撃するソ連軍が国境を越えると、美しい白い家並みが連なっている。それを見てイワン(ソ連軍兵士の代名詞)は泣く。「戦いに勝ったところで、これほどの豊かさは絶対に手にはいらない」と知っているからだ。
この場面はとても印象的だ。そして、これは、いまでも変わらないことなのだ。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/92953?page=1&imp=0
1人当たり、日本の4分の1
(略)