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【疑問】マンガ・アニメなどの「欠番回」簡単に観られないのには理由がある? 正規に見る方法とは…
マンガ・アニメの「欠番回」を正規に見る方法 配信でカットされていても…
(出典:マグミクス) |
で取り上げている作品。「※」がついているのは「封印作品」や「欠番」とされた理由と経緯が公式で説明され、また何らかの措置(作品の打ち切り、絶版、制作スタッフによる謝罪、掲載誌の回収など)が執られた作品を示す。 一部(欠番回が存在する作品、欠番の理由を明言している作品など)のみの例 ブラック・ジャック
8キロバイト (1,059 語) – 2022年1月12日 (水) 03:58
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マグミクス 3/3
https://magmix.jp/post/80957
簡単に「正規」で観られないのには理由がある?
マンガやアニメ、特撮の世界では、のっぴきならない理由で「欠番」となってしまったエピソードが少なからず存在しています。「欠番」とは、作品の発信元の判断で再版や再放送の予定がなくなった回のこと。センセーショナルな文言とともに紹介されているのを目にしたことも、多かれ少なかれあるかと思います。
「欠番」に至った理由はさまざまです。作者の意向であったり、企業倫理的に相応しくないなどの判断であったり……いずれにせよ苦しい決断であったことは留意しておくべきでしょう。そのことを念頭におきながら、「欠番」エピソードがそこに至った背景と、現在これらを「正規」の方法で楽しむにはどうすれば良いのか、みていきましょう。
●さくら先生の意向で単行本未収録 「まる子 夢について考える」
国民的マンガ『ちびまる子ちゃん』(著:さくらももこ)にも欠番回が存在していることは、なんとなく知っている方も多いのではないでしょうか。決して都市伝説のたぐいではなく、単行本の収録が見送られたエピソードは実在します。
それが、1995年の『りぼん』2月号に掲載された第98話「まる子 夢について考える」というエピソードです。当時のリアルタイム読者からすれば「明らかにいつもと様子が違う」回だったようで、「トラウマ回」といった声もあがっています。
冒頭からいきなり「邪教徒」に見つからぬよう洞窟から逃げるまるちゃん……なるほど明らかにいつもと違います。その後、夢オチかと思いきや徐々に夢の内容が現実を侵食していく……という展開を迎えます。当時、さくら先生自身が新連載にエッセイと多忙を極めていた時期であり、本作は「もう一度じっくり挑戦し直したい」という意向で単行本の収録は見送られました。
同エピソードが掲載された「りぼん」は、中古市場で高値で取引されているようですが、国会図書館など雑誌蔵書の多い施設を利用すれば、個人でも普通に読むことが可能です。
●15話もあるアニメ『美味しんぼ』の欠番エピソード
ここ最近、有料配信サービスやYouTubeにおける配信などで盛り上がりを見せているアニメ『美味しんぼ』(原作:雁屋哲、作画:花咲アキラ)。レギュラー放送では全136話と長期にわたって放送されていた本作ですが、配信版では全121話。なんと15話分のエピソードが欠番のような扱いを受けてしまっているのです。
理由こそはっきり明言されていませんが、諸々の配慮が働いていることは明らかです。例えば捕鯨問題を扱ったエピソードや、チェルノブイリの原発事故の影響に関して言及する話など、当時からすでにデリケートな問題に踏み込んだ話は残念ながら配信では観ることができません。
捕鯨問題の回に関してはテレビ・ラジオの番組や関係者を顕彰する「ギャラクシー賞」(第27回選奨)を受賞しており、第40話「真夏の氷」では原作にはない文化部女性陣の水着シーン、そして美麗な「氷」の作画などがファンに注目されていました。40話は人気も高い回だけに少々もったいない気もしますが、ご安心ください。長らく円盤化に恵まれていなかった本作ですが、2016年にTVアニメ全136話をデジタルリマスターしたBD/DVDが発売されています。
●日本で最も有名な欠番? 『ウルトラセブン』第12話
「欠番回」という言葉でこちらを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。1967年12月17日放送の『ウルトラセブン』12話「遊星より愛をこめて」(スペル星人回)は、「欠番」となって50年以上が経過した現在においてもその封印は解けておりません。
NHK BSプレミアムで4Kリマスター版が放送されたときも、例にもれず12話だけは飛ばされます。放送当時は問題とならず、雑誌「小学二年生」の付録でスペル星人が「ひばく星人」として紹介されてしまったことで抗議に発展し欠番に至ります。解禁を望む声は今もなお多く、ファンはもちろんのことアンヌ隊員を演じたひし美ゆり子さんもまたその旨のコメントを発表しています。それでもなお「正規」で視聴する方法はまだ解禁されていないのです。
「欠番回」とひと言でいっても、その背景にはさまざまな理由があることは前述の通り。「大人の事情」で片づけてしまうのは簡単ではありますが、『ウルトラセブン』の12話は半世紀、ずっと無言のまま私たちに何かを問い続けています。
(出典 img.buzzfeed.com)
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