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阪神・佐藤輝明 今年はバース打法「しっかり球に逆らわずに」 浜風を味方に甲子園左翼方向に放り込む!
阪神は2日、今季初めて甲子園球場での全体練習を行い、開幕へ向けて再始動した。佐藤輝明内野手(22)は逆方向に鋭い打球を放ち、キャンプから取り組む新打法の継続を明言。伝説の助っ人・バース同様に、右から左へ吹き付ける浜風も味方につける。
今季初めて踏みしめた甲子園。聖地の雰囲気を肌で感じながら、佐藤輝はキャンプと同じく広角へと打ち分けた。最も重きを置いたのは、外角をとらえる逆方向への強打。2年目の躍進を遂げる上で、欠かすことのできない技術の一つだ。
「(逆方向へ意識しての打球が)できればいいですけど。それができるのは本当に調子がいい時なので。今はしっかり球に逆らわずに、という感じです」
右から左へ吹き付ける、名物の浜風。タテジマに身を包んだ多くの左打者が苦しめられてきたが、味方に付けたつわものもいる。真っ先に虎党の脳裏に浮かぶのが、1985年の日本一に貢献したバース。浜風にあらがうことなく味方に付け、左翼方向への本塁打を量産してみせた。対照的に、昨季の佐藤輝は甲子園で放った8本塁打のうち、左越えはわずかに1本。24本塁打からの大幅増は“バース打法”の習得がカギを握る。
「もちろん(オープン戦で)ホームランを打ちたいし、打率も残していい結果が出たらいいなと思います」
キャンプ期間中の実戦9試合では打率・452、2本塁打、5打点。いずれもチームトップの数字を残したが、慢心はない。この日は139スイングで6本の柵越え。居残り特打では、藤井康1、2軍巡回打撃コーチの指導に耳を傾けた。「4スタンス理論」を用いたフォームとスイング軌道を確認。無駄のないコンパクトなスイングでミート率を高めることで、長打と打率のアップをもくろむ。
「いい投手の球を見られるいい機会なので、しっかりそれにどう対応していくかです」
あす4日からの楽天3連戦では、早川ら一線級投手と対戦する可能性もある。同戦も含めた甲子園でのオープン戦8試合で、左翼席へ何本運ぶのか。残した数字はそのまま、新スタイルの試金石となる。(石崎 祥平)
【86年バースの甲子園弾は6割が逆方向】2リーグ制以降の阪神の左打者で、甲子園でシーズン15本塁打以上は掛布雅之(5度)、バース(3度)、金本知憲(2度)、ブラゼル(1度)の4人。86年のバースはシーズン47本塁打の半分以上にあたる25本を甲子園で放ち、打球方向は左翼15、中堅2、右翼8で実に6割が逆方向。通算でも甲子園91本塁打のうち34本(37%)が左方向だった。