【訃報】元阪神今成亮太の父　日本ハム今成泰章スカウトが死去、66歳　ダルビッシュ有、大谷翔平、上沢直之ら担当　阪神では桧山、和田

日本ハムは3日、今成泰章スカウトが2日に劇症型溶血性レンサ球菌感染症のため埼玉・朝霞市の病院で死去したと発表した。66歳だった。ヤクルトとのオープン戦（札幌ドーム）の試合前練習の冒頭に新庄剛志監督ら首脳陣、選手、球団スタッフらがグラウンドに集まり、黙とうをささげた。場内のビジョンには今成スカウトが担当した加藤貴之投手や野村佑希内野手との写真が映し出された。

同スカウトは駒大卒業後に阪神へスカウトとして入団。新庄剛志監督が阪神に入団した89年当時は担当ではなかったが、すでにスカウトとして在籍していた。和田豊氏や桧山進次郎氏らの担当スカウトとして多くの選手獲得に携わった。チーフスカウトだった02年8月末で阪神を退団し、03年から日本ハムへスカウトとして入団した。

04年ドラフトではダルビッシュ有投手の担当スカウトとして密着マークし、1位指名から3分後には指名あいさつに訪れて将来メジャーでも大成する大投手の入団へこぎ着けた。難交渉も一瞬で相手の心をつかんで落とす姿から愛称は「マムシの今成」。大谷翔平投手の高校時代も追い続け、上沢直之投手や松本剛外野手らも担当。05年高校生ドラフトでは次男の亮太氏が日本ハムから指名され、スカウトと選手という異例の「親子鷹」として話題を集めた。阪神、日本ハムで多くの選手をプロへ導き、スターへの足がかりを築いた名物スカウトマンが、惜しまれながら天国へ旅立った。

▽日本ハム上沢　キャンプの時に国頭で話しましたが、すごく元気だったので信じられないです。僕がファイターズで野球をやれているのは今成さんのおかげ。もっともっと活躍して、「今成さんよく上沢を見つけたよね」って周りの人から言ってもらえるように頑張りたいと思います。

▽日本ハム加藤　僕をプロに導いてくれた方。キャンプで話した時は元気そうだったので、何と言っていいか分からないです。去年は初めて規定（投球回）を投げて「頑張ったな」と言ってもらえた。感謝の気持ちを忘れず、1年でも長く投げていきたい。

◆劇症型溶血性レンサ球菌感染症とは？　突発性ショックを引き起こす細菌感染症。人食いバクテリアとも呼ばれる。毎年、全国で600～900人の患者が確認されている。壊死（えし）性筋膜炎や多臓器不全を引き起こす。致死率は30％ときわめて高く、発症から48時間以内に死に至るなど症状の進行も早い。30歳以上の成人に多い特徴がある。