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露カーリング連盟会長「ロシアは多くの競技で最強。ロシア排除はドーピングと同じだ!」「世界にとって大災害。きっと後悔するだろう」
ロシア軍のウクライナ侵攻を受けて、スポーツ界の動きが活発だ。
現地2月28日、IOC(国際オリンピック委員会)はロシアおよびベラルーシの選手、関係者をあらゆる国際大会から除外するように各競技連盟に勧告した。FIFA(国際サッカー連盟)やISU(国際スケート連盟)などが続々と具体的な“制裁案”を示しており、締め出しへのムーブメントは拡大する一方である。
そんななか、ロシア・スポーツ界の大物が異議を唱えた。ロシア連邦国家議員で、国直轄のスポーツ委員会で会長も務めるドミトリー・スビシェフ氏だ。ロシア・スキー連盟やロシア・スノーボード連盟などで要職を歴任し、最近はロシア・カーリング連盟の会長として辣腕を振るい、環境改善と選手強化によって高い評価を得てきた人物だ。
一方、昨今のロシア・スポーツ界を巡るドーピング問題に対して、常に矢面に立ってきたキーパーソンでもある。過激な発言で何度か物議を醸してきたが、今回のロシア除外の流れに対しても、怒りの声明を発表した。地元メディア『RT』が報じたコメントは以下の通りだ。
「おそらく弱小の競技連盟やアスリートたちは、手を揉んでいるだろう。ロシアがいなくなった場で世界王者、オリンピック王者になろうとしているんだ。ロシアは多くの競技で最強である。その代表チームの出場を禁止する行為は、多くの国にとってはひとつのアドバンテージ。言ってみれば他国にとってはドーピングをするみたいなものだ」
感情を抑え切れずに飛び出した本音とはいえ、さすがに北京五輪・女子フィギュアスケートにおけるドーピング疑惑で世界を騒がせている最中だけに、あまりにも思慮に欠けた内容である。
「世界のあらゆるスポーツにとって大災害だ。彼ら(IOC)はきっと後悔するだろう」とも話したスビチェフ氏。ロシア国内の責任ある人物による問題発言は、今後波紋を広げそうだ。