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巨人・桑田コーチ キャンプ中にブルペン改造していた!「理論+柔軟性」に感嘆の声
東スポWeb
巨人・高梨(手前右)の話を聞く桑田コーチ(東スポWeb)
理論だけではない。巨人の桑田真澄投手チーフコーチ(53)の決断力がチームに大きな影響をもたらしている。今年からチーフ格に昇格し、春季キャンプを通じてさまざまな投手陣改革に着手。クレバーな発想は、球界内外で大きな注目を集めた。かといって選手たちに知識やアイデアを押し付けるわけではなく、その柔軟さにも感嘆の声が上がっている。
戦力の底上げを狙うG投手陣にとって宮崎、沖縄での1か月は有意義な期間となった。2年目の山崎伊、3年目の育成・堀田などが先発ローテ入りに向けてアピールに成功。ドラフト3位の赤星(22=日大)もずば抜けた制球力と安定感で首脳陣をうならせるなど、期待の若手からルーキーまで幅広く台頭した。
キャンプ終盤にはドラフト1位の大勢(22=関西国際大)も一軍合流。桑田コーチは「状態を確認して、できたらシートをやりながら、それでも状態よければまた試合、という形で」と、最短で3月5、6日の日本ハムとのオープン戦2連戦(札幌ドーム)での実戦デビューも示唆した。
ここまで若手が順調に伸びている背景には、桑田コーチが新たに取り入れた数々の施策がある。キャンプ中に制球力向上を目的に行った「ライン出し」や投球距離が可変式の「桑田式ブルペン」など、オリジナリティーあふれる練習メニューを次々と導入した。
昨季3位に沈んだ巨人は与四球464個でリーグワースト2位(最少はヤクルトの363個)。制球力アップはチームとしての課題でもあった。そんな中で成果を上げた桑田コーチは独自性だけでなく、3つの行動力からなる〝3即〟で投手たちをけん引した。沖縄での2次キャンプ中には、こんなことがあった。
ブルペンは各レーンの幅が通常より狭いこともあり、高梨や大江など投球時にステップが大きくクロスする変則左腕にとっては投げにくさを伴う状態となっていた。
これにいち早く気付いた桑田コーチは、すぐさま2投手に「ブルペンに問題ある?」とヒアリング。両左腕は「もうちょい広ければ…」と遠慮がちだったが、意をくんだ桑田コーチは練習が終了するとブルペンの改良を「即決」。整備スタッフに掛け合い、日が暮れてからも入念に作業を続けた。
桑田コーチのスピード指令とスタッフの懸命な作業により、翌日にはレーンとレーンの間をつなげて幅を広くした特別ブルペンが「即座」に完成した。「だいたいの選手(の踏み出す足)は収まるんですけど、大江と高梨が収まらずに出ちゃうので。投げ終わりでねん挫されても困るので。そういうことも気をつけながらやっています」。桑田コーチは当たり前のことをしたまでと言いたげだったが、これも普段から「即応」しているからこそできた対応だろう。
ひとまず、種まきと水やりはひと段落した。今後のオープン戦で期待の若手たちが芽を出してくれれば、桑田コーチの理想へと近づくはずだ。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/20066fcdddd04d04e00d42f120509d186ad2da55